業界展望台

住宅産業特集
期待高まる住宅産業 ハウスメーカーはどう応えるか

7月21日(木曜日)付 日刊工業新聞 14面〜16面 広告特集から

 住宅業界に期待が集まっている。東日本大震災以降、当然のことながら地震に強く安心・安全な住宅を求める消費者が急増している。電力不足問題が長期化する中で、自家発電機能を持つ住宅や、省エネ性能の高い住宅も注目されている。また家族や地域コミュニティーの重要性が再認識され、住まいを通じた絆づくりが期待される。住宅メーカー各社は技術やノウハウを結集し、こうした声に全力で答えていく。

住まいへの要求高度化−制震装置標準化の動きも

 震災以降、住宅用制震装置の引き合いが増えている。例えば積水ハウスでは独自の制震装置「シーカス」を搭載した住宅の受注が急伸している。特に被災地での伸びが顕著で、福島県の4―6月の受注棟数は前年同期の1.6倍、宮城県では2.8倍に増えたという。制震装置は壁内骨組みに組み込んだダンパーで震動を熱エネルギーに変えて吸収する。制震装置は繰り返しの地震にも強く、基礎と建物の間に支承材を配置し揺れを抑える免震装置よりも低価格というメリットがある。

 こうした中、制震装置を住宅に標準化する動きも始まっている。積水ハウスは主力の鉄骨一戸建て住宅にシーカスを標準搭載することを決めた。シーカスはフレームとK型に組み込んだ粘弾性ダンパーで構成される。ダンパーの心臓部は伸び率720%の特殊高減衰ゴムが組み込まれており、震動を吸収し建物変形量を約2分の1に抑える。またミサワホームも4月から、主力の一戸建て住宅「GENIUS」シリーズで独自開発の制震装置「MGEO」の標準搭載を始めている。同製品は住友ゴムグループとの共同開発で、天然ゴム由来の高減衰ゴムを鋼板に組み込んでいる。

 次世代の安全・安心商品として注目されているのが、積水ハウスが7月に発売した空気環境配慮仕様「エアキス」。アレルギーやシックハウス症候群の要因とも言われるホルムアルデヒド、トルエン、キシレンなど五つの化学物質の居住時室内濃度を国の基準の半分以下に抑えた。化学物質を出さないオリジナル建材や化学物質を吸着する建材、換気システムなどで室内濃度を低減。入居前には第三者機関で濃度測定し、濃度基準を満たさない場合は内装を作り替える。この仕様を主力商品に標準化し、「空気の安全」という新たな領域を切り開いていく。

 電力供給不安の中で自家発電に注目が集まり、太陽光発電システムや燃料電池を搭載した住宅の引き合いが好調だ。さらにIT技術で住宅の省エネ性能を高めるホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)も続々と商品化されている。

 太陽光発電住宅で業界ナンバーワンの実績を持つ積水化学工業住宅カンパニーは、今年度から同住宅に業界で初めてHEMSを標準搭載した。NECと共同開発したクラウド型HEMS「スマートハイム・ナビ」で、家電製品や部屋ごとの電気代をリアルタイム表示することができる。各戸の電力データはデータセンターに集めて解析し、地域や家族構成に対応した省エネアドバイスとして提出する。こうした仕組みでHEMS搭載前にくらべ光熱費を20%削減できるという。

 ミサワホームはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)機能を持つHEMS「エネココ」を発売した。SNSではほかの家庭と省エネノウハウを共有することができる。また子供の帰宅を水道使用反応から把握して親の携帯電話に連絡するサービスなど、セキュリティー機能も付加しているのが特徴だ。

 将来的にHEMSはネットワーク化された家電製品や蓄電池を遠隔操作し、最も効率の良いエネルギー需給を自動で構築できるようになると言われる。家電制御規格を統一しようという電機メーカーらの取り組みも始まった。

原点から省エネ再考−コミュニティー形成促す

 HEMSや太陽光発電システムなどの付帯設備で住宅の省エネ化を進める一方で、住宅の構造設計そのものを省エネ化することも重要だ。木造住宅ナンバーワンの住友林業は日本の伝統家屋をヒントに、自然の力で省エネを実現する設計手法「涼温房」を開発している。窓や軒、屋外樹木の配置を工夫して風と太陽光を取り込み、冷暖房に頼らなくても夏は涼しく、冬は暖かい暮らしを実現する。居住地域や住宅密集度、建物断熱仕様に合わせて、邸別の年間冷暖房負荷予測や二酸化炭素排出量を算出し「エコ診断カルテ」として提出する点も特徴だ。古き良き日本の住宅技術が、また活躍する時代が来ようとしている。

 今回の震災では、家族や地域間のコミュニティー形成の大切さも鮮明になった。単身世帯や核家族が増える中で、何かあったときに助け合うという関係性が希薄になりつつある。こうした中で、旭化成ホームズは住宅を通した「絆の再構築」を長期的な事業ビジョンの一つに置いた。

 これまでも親世帯と子世帯で孫を一緒に育てるライフスタイルを提案する「ヘーベルハウス イコイ」など特徴的な商品を提供してきたが、今後さらに取り組みを強化。その1例が6月にリニューアルしたペットを飼う人専用の賃貸住宅「ヘーベルメゾン +わん+にゃん」だ。この商品では入居者同士のコミュニケーションを促進する仕組みを随所に取り入れた。設備面ではペットを介して交流を図るための共有スペースやドッグランを追加。さらに入居者専用のウェブサイトも開設、しつけ教室やイベント情報の提供で交流を支援する。入居者とペットが参加する運動会も開催していく。

Next 今後も続く、省エネ需要−建材、住宅設備メーカーの対応

<出稿企業一覧>

企業名   新聞広告
積水化学工業 安心のカタチ。施工技術の最先端化はもちろんのこと、
住まいの性能にも徹底したこだわりを持ち続けています。
住友林業 家族みんなのしあわせを願う、
ママのハッピーがあふれる家をつくる。 mamato
日東工業 太陽光発電システム/エコな暮らしをはじめましょう!
ポラス 一生愛せる住まいをつくる。
旭化成ホームズ 新たな次元へ、進化する重鉄の3階
 《へーベルハウス フレックスモナド》
  

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