業界展望台

製薬産業特集/
挑戦を続ける製薬産業

7月26日(火曜日)付 日刊工業新聞 26面〜30面 広告特集から

<出稿企業一覧>

企業名   新聞広告
持田製薬 子宮内膜症の痛みに悩む女性のための情報サイトを開設しています
日本新薬 日本新薬は、一人ひとりの命のために、新しい薬を創っています。
武田薬品工業 優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する
アステラス製薬 まだないくすりを創るしごと
大日本住友製薬 家族の気持ちに、新しい薬でこたえたい。
ツムラ 漢方を学んでココロとカラダを健康に!
バイエル薬品 早く治ってほしいという願いを、チカラに。
第一三共 つくっているのは、希望です。
エーザイ ヒューマン・ヘルスケア
小野薬品工業 生理活性脂質や酵素阻害薬などの研究分野からの創薬に強み
グラクソ・スミスクライン 生きる喜びを、もっと
サノフィ・アベンティス 研究開発を通じQuality of Lifeの向上へ
ファイザー より健康な世界の実現のために
中外製薬 今までにない医薬品を、今までにない力で創り出す。
富山化学工業 新たな治療薬の開発に取り組む
ノバルティス ファーマ 新薬で人々のいのちと健康に貢献します。
ノボ ノルディスク ファーマ 糖尿病ケアの世界的なリーディングカンパニー
協和発酵キリン バイオの力で、薬の可能性を広げていく。
UCB connecting with patients
扶桑薬品工業 点滴などの輸液や人工腎臓用透析液のトップメーカー
塩野義製薬 すべての人々のクオリティ・オブ・ライフの向上に取り組むシオノギです。
わかもと製薬 3つの天然由来成分 『強力わかもと』
ゼリア新薬 ひざ・こしラクチン コンドロイチンZS
エスエス製薬 もんでも届かない、肩こり痛に。イブアウター。

新興国が試乗を牽引-日米欧、大幅な戦略転換へ

 世界的に製薬企業のあり方が変わってきている。これまで製薬市場の中心だった日米欧の成長が鈍化。代わってBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などの新興国が市場の牽引役になってきた。また、年間1000億円以上を売り上げる大型薬(ブロックバスター)が相次いで特許切れを迎え、後発医薬品の登場により収益が減少している。こうした動きの中、国内外の製薬企業は新興国攻略や創薬ターゲットの絞り込みなど、大幅な戦略転換を進めている。

世界の動きと日本の動き

 これから15年までの製薬市場の動きでまず大きなことは、世界第1位の巨大市場である米国と第2位の日本の成長鈍化だ。IMSジャパンの調査によると、05年の製薬市場約48兆円(1ドル=80円換算)のうち、シェア41%が米国、11%が日本だった。これが10年には市場が約68兆円のうち米36%、日11%、15年には市場が約88兆円のところ米31%、日11%となり、日米欧で05年に79%あったシェアが、15年には61%に低下する。こうした影響を受け、製薬市場全体の伸び率も鈍化している。

世界の製薬市場と国・地域別シェア

 IMSジャパンのアラン・トーマス営業部門ファーマセグメンテーションディレクターによると、こうした背景として米国では経済状況の悪化に伴う薬の使用の減少があり、日本は薬価の引き下げによる医療費の圧縮がある。米国は保険被加入者が経済的な負担をまかなえずに、服用期間を空けてしまったり処方を受けないケースもあるという。

 加えて、大きいのが後発医薬品の拡大だ。10年から15年までの6年間で大型薬の特許が続々と切れ、市場成長に対し約9兆6000億円のマイナス効果があるとされ、先進国への影響が大きい。だが、これを補うのが後発医薬品。今後6年間で後発医薬品市場はプラス約4兆円、全体で約40兆円の市場に成長すると見られている。新興国の市場成長と合わせ、製薬市場の成長を維持する要因となるとされる。成長率は鈍化しつつも、14年には約80兆円を突破すると見られる。

 新興国の伸びも大きい。製薬市場における主要な新興国のシェアは10年の約2割から15年には約3割まで高まり、約12兆円の金額的な成長を遂げると予測される。

 新興国の成長拡大を受け、国内の製薬企業も戦略の転換を進めてきた。創薬では、現在有効な治療薬がないために創薬の実現が期待されることを指す「アンメットメディカルニーズ」の高い領域に軸足を置く。がんはもちろん、中枢神経系と呼ばれるリウマチや認知症、免疫系、生活習慣病、難治性疾患などの創薬に力を注いでいる。創薬候補を実用化する臨床試験などのステップ「パイプライン」の数を増やし、領域ごとに存在感を示そうという考えだ。技術や創薬のシーズに欠けている場合、リソースを持つベンチャー企業へM&A(合併・買収)を仕掛けることも厭(いと)わない。

 現在、各社がパイプラインを整えつつ、攻勢のタイミングを計っている。今後は特許切れの際にマイナス幅が大きい大型薬に頼るより、中規模の売上高を持つ新薬の数を増やしていく戦略をとることになりそうだ。

 新興国市場への進出も急務だ。各社、製造販売、研究開発の体制を整備し、新興国市場の深耕を狙う。最近の動きでは、武田薬品工業がスイスの製薬会社ナイコメッドを買収することで合意した。買収額は約1兆1200億円。ナイコメッドは欧州のほかロシア、ブラジルなど新興国に強みを持つ。武田薬品は新興国と欧州の強固な事業基盤を得ることになった。

 武田薬品の長谷川閑史社長は買収について「(将来成長への)確信と興奮に満ちている」と自信をみせる。各社、日米市場への依存を転換し、日米欧と新興市場で、バランスの取れた収益を確保しようとしている。

 また、国内製薬企業にとって、特に魅力的なのは中国や台湾、韓国、タイ、シンガポールなどの東アジア。この地域は自社による販売網の整備が進んでいる。臨床開発を現地で行うケースが増えた。国・地域ごとに違う規制や申請基準への対応、マーケティングデータなどの蓄積も進んでいる。今後、製薬開発は全世界的に行われるケースが増えていくと見られ、製薬のグローバル化が一層進展することになる。

Next メッセージ/日本製薬工業協会会長 手代木 功氏

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