業界展望台

社会インフラの維持管理を支える 非破壊検査・計測・診断技術

10月28日(金曜日)付 日刊工業新聞 9面〜11面 広告特集から

<出稿企業一覧>

企業名   新聞広告
非破壊検査
日本クラウトクレーマー 赤外線カメラで非接触・短時間検査。解析専用ソフトで材料物性研究も可能。
日新電子工業 先端技術の金属検出機・X線異物検査装置が品質管理に貢献!
GEセンシング&インスペクション・テクノロジーズ ピクセルサイズ最小17μmの超高精細画像を出力するCRスキャナ。
日本無線 新機能搭載(自動マーカ機能)ハンディサーチ
「NJJ−105」
富士フイルムビジネスサプライ X線画像評価の常識を覆す簡単デジタル高画質は富士フイルムFCR。
アコー アコーの音響・振動・騒音測定テクノロジー!!
帝通電子
菱電湘南エレクトロニクス 超音波ボルト軸力計 UI-S7 BT01
新日本非破壊検査 "診る"を究めて
ジャパンプローブ CFRP、GFRPやリチウムイオン電池などの検査に幅広く適用する空中伝播超音波検査装置。
検査技術研究所 21世紀を支える超音波センサーの専門メーカー。
昭和測器 振動計の専門メーカー。振動のことならお任せ下さい.




道路橋における非破壊検査・診断技術

土木研究所
構造物メンテナンス研究センター(CAESAR)
上席研究員 木村 嘉富

 道路橋をはじめとした国土基盤ストックを適切に管理していくためには、非破壊検査、それに基づく診断の高度化が不可欠である。CAESARでは、幅広い方面と連携し、臨床研究を通じて、これら技術開発に取り組んでいる。

国土基盤の寿命延長

 国土基盤ストックの維持管理・更新費は倍増―。今年2月に国土審議会の委員会がとりまとめた「国土の長期展望」での予測である。

 耐用年数を迎えた構造物を同一機能で更新すると仮定した場合、国土基盤ストックの維持管理・更新費が急増し、2030年ごろには現在の約2倍になると予測している。その額は17兆円を超え、現在の事業費では新設をやめたとしても全てを更新することができなくなってしまう。

 ただし、この試算は耐用年数を迎えた時点で全て更新するという前提である。このような事態を迎えないためにも予防保全を含む計画的な保全が進められている。構造物の状態・性能を定期的に把握し、適切な時期に補修を行っていくには、健全性診断技術と必要な情報を得る検査技術の高度化が不可欠である。

 日本人の平均寿命は約80歳と世界有数であるが、昭和初期では45歳にも達していなかった。このような平均寿命の伸びを実現させたのは、栄養・衛生状態の改善と共に、最先端の検査技術など医療技術の進歩も大きいのではないか。国土基盤においても、技術の進歩によりその寿命を延ばしていきたい。

神戸(ごうど)橋における桁の載荷試験

神戸(ごうど)橋における桁の載荷試験

 08年、道路橋の予防保全に向けた有識者会議で、市区町村の9割は道路橋の定期的な点検が行われていないと指摘された。その後、制度面での支援もあり、10年時点では6割を超える自治体で点検に着手している。これまで点検していなかったことから、多くの橋で不具合が見つかってくる。ここで、損傷した部材の健全性診断技術や損傷原因・状態に応じた補修技術については、まだ十分には確立しておらず、CAESARでもこれらの技術開発に取り組んでいる。その際、基本的なメカニズム解明のため、模型供試体を用いた基礎的な試験、および実橋を用いた研究として「臨床研究」を行っている。

撤去中の神戸橋

撤去中の神戸橋

 損傷が生じた部材の耐荷力に関しては、臨床研究としての撤去部材の載荷試験や解剖調査により、その評価法が明らかにされつつある。ここで、コンクリート部材の場合、その耐荷力は主として鉄筋やPC鋼材の引っ張り強さにより決定される。撤去桁の載荷試験であれば、試験後の解剖調査によりコンクリート内部の鋼材断面積などを計測でき、それに基づいて耐荷力が説明可能である。しかし、供用中の橋梁(きょうりょう)では破壊調査には制約があり、革新的な非破壊検査が求められる。

 2年前、CAESAR主催の講演会で航空機整備における非破壊検査について話を聞く機会があった。米国の法規では「原則的に航空機の主要部材は直接目視による検査ができるよう設計されなければならない。直接目視検査が実施できない部位にあたっては、非破壊検査法を適用することができる。その検査方法はメンテナンスマニュアルに設定されなければならない」とされているという。機械の分野では当たり前なのかもしれないが、私が担当しているコンクリート橋に立ち戻った場合、考えさせられたのを覚えている。

 他分野も含めて最先端の技術を道路橋の維持管理に取り入れるべきである。CAESARでは非破壊検査技術に対し、実橋梁や撤去部材を提供している。

 昨年度、鋼板接着補強されたRC床版において、各種試験法で調査を実施し、その後CAESARで解体調査を実施した。

 また、非破壊検査も含めメンテナンスに関する技術開発を促すため、幅広い方々が一堂に会する技術交流会も設立している。

 このような臨床研究結果、非破壊検査を実施できる撤去部材、技術交流会の活動などについてはホームページ(www.pwri.go.jp/caesar/index-j.html)で公開している。

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