地域応援隊

オンリーワンで異彩を放つ 埼玉西部地域の企業動向

6月23日(水曜日)付 日刊工業新聞 10面-11面 地域特集から

<出稿企業一覧>

企業名 PR 新聞広告画像
大村製作所 10マイクロメートルに微粒化できるノズルと手消毒器
フロロコート 架橋フッ素樹脂処理に着手。フッ素樹脂加工で60年の実績
テクノエコー 結合型残留塩素を含む残留塩素水濃度測定を向上
武州ガス ガス会社が提案する太陽光発電システム
曙金属工業 アルマイト処理で40有余年の実績。多品種少量、大物1個からでも
ケージーエス 上海でソレノイドを量産。点字セル製品を世界に展開
日本捲線工業 眼科・歯科向けに等張オゾン水による小型殺菌器発売
カワタ 銀イオンによる噴霧型除菌装置(花粉・ウイルス撃退)
サイサン 北海道・東北エリアでLPガス事業を展開

 埼玉県西部とは、概して南を東京都、東を荒川、西を秩父山系に囲まれた地域を指す。都心へのアクセスが良く、自然にも恵まれた好立地にある。技術力に優れたユニークな中小製造工場が多数存在するなど「モノづくり情報」には事欠かない土地柄だ。最近、弊紙に取り上げられたニュースを中心に、埼玉西部地域で活躍する技術企業各社の主な近況をここに紹介する。(登場企業=大村製作所、カワタ、日本捲線工業、テクノエコー、曙金属工業、フロロコート、ケージーエス、武州ガス、サイサン※順不同)

【微粒薬液の手消毒器−大村製作所】

 大村製作所(埼玉県東松山市、大村隆夫社長、0493・23・1288)は、薬液を10マイクロメートル径に微粒化できるノズル「JOノズル」を用いた手消毒器「シュ・クリーン」を発売した。手を近づけると、センサー作用で消毒霧を噴霧する。空気と水を併用する2流体微粒化ノズルに特殊構造を加えることで、薬液使用量の大幅削減を可能にした。価格は9万8千円を予定。

 従来の二流体微粒化ノズルでは中央ノズルから水を直接吹き出すため、水粒子径は100マイクロメートル小程度。一方、JOノズルでは特殊構造を採用。ノズル内径に膜状の水流を作り噴射する仕組みとした。従来式より「薬液を5分の1程度に減らせる」(大村社長)という。動力は浄化槽ポンプなどと同様の超低圧ポンプですむ。ノズル径は2ミリメートル。ポンプユニットに内蔵する薬液タンク容量は350ミリリットル。同社では、薬液タンク容量を200ミリリットルにしたポンプ一体型のコンパクトタイプ「シュ・クリーン」を、近く市場投入する考え。

【銀イオン用い殺菌装置−カワタ】

 カワタ(埼玉県川越市、川田透社長、049・244・8750)は、ナノ(ナノは10億分の1)サイズの銀粒子による殺菌効果を生かした噴霧式小型除菌装置「エージーエムプラスS型」を発売した。価格は1ノズル型で40万円、2ノズル型で50万円。病院や食品工場などへの導入が進んでいる。今後「口蹄(こうてい)疫などの予防対策にも応用可能」と見て、販促活動を進める考えだ。

 本体に連結したフロアマットを踏む事で、ナノ銀粒子を人体に噴霧する仕組み。「衣服などに残留するナノ銀粒子が、イオンの働きで殺菌効果を持つ」(川田社長)という。別売の銀ナノ粒子溶液(0.5ppm)1リットル入りパックを装置内にセットして使用する。価格は1パック3000円。

 ミスト噴霧時間は1秒―30秒の間で任意に調整できる。同社によると、殺菌効果のほか「花粉症予防、静電気対策、防ダニ効果が見込める」(同)という。

【残留塩素の測定制度向上−テクノエコー】

 テクノエコー(埼玉県入間市、山中範行社長、04・2937・1061)は、工場排水など放流水の残留塩素濃度測定用として、新型の「放流水用無試薬式全残留塩素計GR―10B―220―20」を、7月1日に発売する。自社従来型に比べ、加電圧調整などさまざまな測定条件の微調整が可能。アンモニア化合物など結合型残留塩素を多く含む残留塩素水の濃度測定を容易にした。価格は96万円。

 データロガーを標準装備した。測定データは、市販のフラッシュメモリーに記録し、エクセルなどで二次加工ができる。測定方式は微妙な電圧調整が可能な、3電極を用いたポーラログラフ法を採用。電極表面の洗浄には、ビーズ洗浄と連続電界洗浄を併用し、保守頻度を減らした。フィルターを用いない独自の浮遊物質除去機構により、取水側近くでの使用が可能。「残留塩素水の特質にあわせて事前設定した測定条件の変数データを、フラッシュメモリーに読み込んで活用できる」という。

【等張オゾン水用い殺菌−日本捲線工業】

 日本捲線工業(埼玉県所沢市、村井雄三社長、04・2945・1411)は、手軽に使用できる小型の等張オゾン水(生理食塩水にオゾンを溶かした液)生成装置「家庭用スティリオゾンミキサー」を発売した。等張オゾン水を用いた殺菌消毒を行える。価格は13万8千円。現在、眼科や歯科医院などでの導入が相次いでいる。

 縦19センチ×横28センチ×高さ37センチメートル、重量5キログラムと卓上向けのコンパクト設計。本体内にオゾン発生装置、溶解装置、排オゾン中和装置などを組み込んだ。ボタンのオン/オフで、等張オゾン水の生成/停止を行う。一方の容器に入れた生理食塩水を吸い上げてオゾンを混ぜ、もう一方の容器に注入する仕組み。生成能力は毎分約250ミリリットル。別途、小型の酸素ボンベが必要。生理食塩水は煮沸した水道水1リットル当たり9グラムの食卓塩を溶かし込んでも代替ができる。

【アルマイト処理で40有余念の実績−曙金属工業】

 曙金属工業(埼玉県川越市、清水矩明社長、049・243・2669)は、アルミニウムの表面加工(アルマイト処理)が主力で、創業40年を越える。

 なんでも「創業以来、返品を受けた記憶がほとんどない」という品質管理が自慢。2001年の不況下には自動化設備などに、約2億円を投下した。こうした取り組みが奏功し「かなりの大型部品なども処理できる」対応力を備えた。取引は近隣にとどまらず「新潟や熊本からも12トントレーラーが乗り付ける」ほどだ。

 多種多様のアルマイト処理を1品からでも引き受ける。処理品目は、二次電解着色法(耐熱・耐候性優秀・長尺部品・重量物可能)、一般アルマイト処理、超硬質カラーアルマイト印刷法、一般カラーアルマイト印刷法、アルミ合金丸棒へのクロス・スポット溶接加工ならびに同製品製造、スタッド溶接加工製品製造など。

【架橋フッ素樹脂被膜処理に着手−フロロコート】

 フロロコート(埼玉県川越市、五閑昭男社長、049・225・4321)は、川越、新潟、岡山に三工場を持つ工業用フッ素樹脂被覆加工の専業。東京シリコングループの中核として、兄弟会社のトシコ、フロロコート名古屋、上海特希科弗素樹脂表面処理らと密接な技術交流を持つ。

 フッ素樹脂被覆は「滑りが良い」、「くっつかない」、「樹脂としての高い耐熱性」が特長。そうした特性を生かし、自動化装置部品の表面処理などに多く使われている。09年の前半は「さすがに受注が落ち込んだ」(後閑社長)が、2010年に入り半導体製造装置向けなどで受注環境は好転。「目下、受注は上向き加減」(同)だが、反面、フッ素樹脂の品不足による値上がりなどの懸念材料もある。

 同社ではフッ素樹脂の耐摩耗性をさらに強化した、日立電線開発の架橋フッ素樹脂「エクセロン」の事業化に着手。同用途開発や材料評価を徐々に進めている。

【上海でソレノイド量産−ケージーエス、日系企業買収し量産へ】

 ケージーエス(埼玉県小川町、榑松武男社長、0493・72・7311)は、これまでソレノイド生産を委託していた中国・上海市の日系企業を買収、09年12月にケージーエスの100%子会社「上海開基司電子(KGS上海)」とした。

 中国でのソレノイド量産品を自社生産化し、コスト競争力を高めるねらいがあった。今後2010年11月までに、現地のソレノイド生産量を月産10万個とする計画だ。

 KGS上海では、当初、ケージーエスが受注する1ロット1000個以上の量産品を手がける計画でスタートしている。一方、ケージーエスは国内で、主に500個以下の小ロット品および多種類品の生産に特化。その上で、短納期対応を心がけている。

【ガス機器・太陽電池、省エネライフ提案−武州ガス】

 武州ガス(埼玉県川越市、原敏成社長、049・247・5428)は、高効率のガス給湯器と太陽光発電を組み合わせた省エネ生活の提案に注力している。ECOジョーズなどの高効率給湯器の熱回収率はおよそ95%と高い。これに太陽光発電を組み合わせた快適ライフを提案し「ガス給湯器のメリットを顧客に良く理解して頂く」考えだ。現在、政府がエコ生活を支援していることもあり「周辺の太陽光発電導入家庭による売電は、当面1キロワット48円で売れる」。使用電気代より高く売れるため「3キロワットの太陽電池を導入した場合、最高で月1万円ほど差益が出る場合もある」という。同社では次年度以降、エネルギー効率を約8割程度と高く利用できる家庭用燃料電池「エネファーム」の市場開拓に努める考えだ。

【北海道・東北エリアでLPガス事業本格化−サイサン】

 サイサン(さいたま市大宮区、川本武彦社長、048・641・8211)は5月24日、ウェルネットの100%子会社で北海道・東北エリアで、LPガス事業を展開する一高たかはし(札幌市白石区)を6月30日付で買収すると発表した。買収額は43億円にのぼる。

 同日、都内で記者会見したサイサンの川本社長は「元売りによる垂直統合が進む中、水平統合で物流面や販売ノウハウでシナジーが期待できる」と述べた。一高たかはしの高橋雅行社長は「LPガスの小売業同士の水平統合で力を発揮していきたい」と語った。

 今回の買収では、北海道・東北地方の営業基盤を拡大したいサイサンと、主力の電子決済ソリューションに経営資源を力を注ぎたいウェルネットの思惑が一致した。


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