[ オピニオン ]
(2017/2/1 05:00)
米国のトランプ政権の矢継ぎ早の意思決定に、世界が翻弄(ほんろう)されている。入国制限や国境の壁が本当に自国のためになるかどうかは、米国民が判断することだろう。ただ米国と関係を持つすべての国に大きな影響が及ぶ。
わが国は人的交流では不利な扱いはされていないが、貿易や金融はそうはいかない。日銀の政策決定よりも大統領の言動の方が為替相場に響く。極端な発言が繰り返されることで変動がより顕著になった。
米国民も混乱しているに違いない。ただ、それは自らの投票の結果でもある。日本人はそもそも大統領を選べない。それなのに“米国第一”政策で敵視されかねない。政治の壁は日本に対しても高くそそりたつ。
沖縄の米軍基地は日本の安全保障全体を左右するが、知事を選ぶ権利があるのは県民だけ。県民も知事も日本を俯瞰(ふかん)するわけではなく、県益を最優先する。昨今の国と県の対立は、このミスマッチに根っこがあるように思う。
「代表なくして課税なし」は民主政治の原則。だったら人的・物的交流による経済的貢献に応じて、自国民以外に投票を認める制度があってもいいのではないか。地球は狭くなったのだから、政治制度もグローバル化できないかと夢想する。
(2017/2/1 05:00)