[ 科学技術・大学 ]

溶存水素水、30秒で濃度測定−埼玉工大が校正作業不要なセンサー開発

(2017/2/10 05:00)

埼玉工業大学工学部の松浦宏昭准教授は水素水濃度の正確な測定方法を開発した。同大学の内山俊一学長が約30年前に創案したクーロメトリー方式による測定手法を活用し、松浦准教授が開発したマルチ電解修飾カーボンフェルト電極で溶存水素濃度を計るセンサーを開発した。この方式により検量線作成という濃度校正作業が不要になるほか短時間、しかもハード、ソフト面でローコストでの測定ができる。今後、化学や精密機器メーカーとの連携を検討する。

現在の溶存水素測定法としては機器分析による「ガスクロマトグラフ法」、電気化学測定法の「隔膜電極法」がある。しかし両方法ともに濃度校正作業が必要。しかも測定方法が複雑だったり、試料溶液のかき混ぜたり循環が必要で濃度が変わるという課題がある。

そこで松浦准教授は市販の繊維状カーボン材料を使う独自開発のマルチ電解修飾カーボンフェルト電極をクーロメトリックセルに組み込み、水素の電解酸化による電気量を測定。ファラデーの法則に当てはめることで直接水素濃度に変換できる方式を開発した。

試料滴下から30秒という短時間で溶存水素濃度が測れるようにし、校正作業も不要にした。今後、松浦准教授は同方式により公定法の指定を模索する。

水素水は半導体のシリコンウエハー(基盤)やガラスパネル表面の洗浄用に使用されており、精密機器や化学産業と連携を目指す。

(2017/2/10 05:00)

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