[ 科学技術・大学 ]

JAXA、超小型ロケット再び推進 筑波の技術総動員

(2017/2/20 05:00)

  • 1月15日に打ち上げに失敗した「SS―520」4号機(JAXA提供)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月に打ち上げに失敗した超小型ロケット「SS―520」の打ち上げに再挑戦する。打ち上げに失敗した「SS―520」4号機は長さ9・54メートル、直径52センチメートル、重量2・6トンと人工衛星の打ち上げロケットとしては世界最小で需要増加が期待される超小型人工衛星の打ち上げに対応したものだ。民生部品を使った小型ロケットの打ち上げの実証実験は産業界からの期待も大きい。

同4号機は1月に内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)から打ち上げたが、飛行中に地上―機体間の交信ができず、モーターの点火を中止。打ち上げは失敗に終わった。プロジェクトでは民生部品を使ったロケットと超小型衛星を開発し、3キログラム程度の衛星を地球周回軌道に投入することを目指していた。

JAXAの奥村直樹理事長は17日の定例会見で、「SS―520の再度の打ち上げ計画を進めたい」と言明。開発体制をJAXA宇宙科学研究所(ISAS)だけでなく、ロケットの打ち上げなどの経験が豊富な筑波宇宙センター(茨城県つくば市)の研究者を加え、JAXA全体で取り組む。

奥村理事長は「次回はもう失敗できない。ロケット開発に関して経験豊富な人材を集め、打ち上げ失敗のリスクを下げる。できる限り早い時期の打ち上げを目指し、筑波の技術を動員して取り組みたい」と意気込む。

宇宙開発競争が激化する中で、地球の観測ミッションを行う人工衛星やそれを運ぶロケットの小型化、低コスト化が進んでいる。次の打ち上げで実証実験を成功させ、その技術を民間に生かして日本の宇宙開発を活性化することが期待される。

(2017/2/20 05:00)

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