深層断面／個人データは誰のもの？ 匿名化しても残る不安

情報化社会を生きる上で、いまやスマートフォンやパソコン抜きの生活は考えられない。電子マネーやポイントカードの普及も目覚ましく、仕事から買い物まで日常の営みのすべてが電子データとして記録されていると言われても不思議ではない。それで暮らしが便利になったとしても、自分に関するデータがインターネット上に日々吸い上げられていることへの不安は拭えない。これにどう向き合えばよいのか。「データは誰のものか」という視点で問題点を洗い出す。（編集委員・斎藤実）

• 

  企業が取得した個人データをどう使うのか、明確な線引きが必要だ（イメージ）

■改正個人情報保護法、５月に全面施行

【新たな価値】

ＩｏＴ（モノのインターネット）社会は多様なデータから新たな価値を生み出す。その先の世界への期待感は大きいが、その一方で「本人を特定する個人データを勝手に使われたくない」という声も聞...