[ 科学技術・大学 ]

量研機構など、ITER向けマイクロ波源の1、2号機完成

(2017/4/25 05:00)

  • イーター・ジャイロトロン(左)とジャイロトロン構成図(右)(量研機構提供)

量子科学技術研究開発機構は東芝電子管デバイス(栃木県大田原市)と共同で、南フランスに建設中の国際熱核融合実験炉「ITER」(イーター)に使うマイクロ波源「ジャイロトロン」の1、2号機を完成させた。電子レンジの2000倍にあたる1000キロワットのエネルギーのマイクロ波を長時間連続で出力できる。すでに量研機構の那珂核融合研究所(茨城県那珂市)内で慣らし運転を始めており、2019年にもイーターへ運びこむ。

イーターで核融合を起こすには周波数170ギガヘルツ(ギガは10億)、出力1000キロワットのマイクロ波が必要。そのためのジャイロトロンは24機必要で、そのうちの8機を日本の量研機構が担当する。

今回、量研機構はロシアや欧州に先駆けて2機のジャイロトロンを完成させた。今後3―8号機を製作し、22年までにイーターへ輸送する計画だ。

ジャイロトロンは超電導磁石が作る強磁場中で電子のビームを加速させマイクロ波に変換し出力する装置。研究グループは、電子ビームが通る円筒状の空洞の内径の拡大や、不要な周波数のマイクロ波の発生の抑制などの改良により、マイクロ波を安定して発生させることに成功した。

(2017/4/25 05:00)

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