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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/22 05:00)
東京大学大学院薬学系研究科の小山隆太准教授、池谷裕二教授らは、ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)由来の神経細胞を、マウスの脳の海馬上で一緒に培養し、より成熟した神経細胞を作り出すことに成功した。ヒトとマウスという異種間での移植が可能なことを示唆する。パーキンソン病や脊髄損傷など、神経細胞が失われる脳神経疾患の治療につながる可能性がある。
研究チームは、ヒトのiPS細胞から作った未熟な神経細胞を、マウスの脳の海馬領域を切り出したものに移植。一緒に培養すると、一方向に伸びたほうき状の突起が特徴的な形をしているのを確認。海馬領域に特異的な細胞の形に分化していることが分かった。
また、培養したiPS細胞由来の神経細胞を調べると、海馬領域に応じた細胞マーカーを発現していた。
小山准教授は、「分化した神経細胞が、移植後に脳で機能するかが今後の課題。神経細胞を維持し、体に生着させる因子を探していく」と話している。
成果は国際科学誌フロンティアズ・イン・ニューロサイエンスに掲載された。
(2017/5/22 05:00)
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