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[ 科学技術・大学 ]
(2017/6/4 10:00)
米国の宇宙ベンチャー、スペースX(カリフォルニア州)は3日17時過ぎ(現地時間)、フロリダ州にある米航空宇宙局(NASA)ケネディ宇宙センターから国際宇宙ステーション(ISS)に向け、再利用したドラゴン宇宙船を搭載するファルコン9ロケットの初の打ち上げに成功した。宇宙船は5日にもISSとドッキングする予定。
民間企業でISSに一度打ち上げた宇宙船の再利用に成功するのは初めて。また、打ち上げから約2分25秒後、高度約65キロメートルの地点でロケットの2段エンジンに点火。切り離されたロケットの1段目は垂直に降下し、地上近くで逆噴射しながら同約7分30秒後、隣接するケープカナベラル空軍基地の着陸地点「LZ-1」に無事着陸した。
今回の「CRS-11」(第11回商業補給サービス)は、ISSに向けて物資補給用の宇宙船を打ち上げるスペースXにとっての11回目のミッション。2014年9月にISSに1カ月滞在したのち地上に戻ってきたドラゴン宇宙船を再利用し、科学実験用の試料や機材など合計6000ポンド(約2.7トン)の物資をISSに運搬する。
電気自動車(EV)ベンチャー、テスラのCEOでスペースXのCEOも務めるイーロン・マスク氏はこうした宇宙船やロケットの再利用を「宇宙飛行での革命」としており、今回のファルコン9ロケットの1段目も再利用される予定となっている。
今年3月には、約1年前の2016年4月に打ち上げられたファルコン9ロケットを再利用し、通信衛星の打ち上げに初めて成功した。それに続き、数週間後には再利用ロケットを使って、衛星の打ち上げを行う予定とされる。
スペースXはNASAとの間で2024年までISS向けの補給を行う契約を交わしており、ISSと地球との間で人間を運ぶ「ドラゴン2」宇宙船の開発も進めている。
【スペースXによる打ち上げの中継映像】
(2017/6/4 10:00)