生活連動の家電制御、SELTECHがアルゴリズム 来年めど開発

ＳＥＬＴＥＣＨ（東京都渋谷区、江川将偉社長、０３・５４２８・６７８２）は、生活パターンを学習して自動的に家電を動かすアルゴリズムを２０１８年までに開発する。現在、音声操作や各種の設定条件下で自動的に動かすＩｏＴ（モノのインターネット）機器やＩｏＴ家電が相次いで発売されている。生活リズムに合わせて機器が動くようになれば、より利便性を高められそうだ。

アルゴリズムの開発に向け、ＩｏＴ家電やセンサーを設置したマンションに社員の家族らが２月から入居し、生活しながら実証実験を進めている。生活パターンを理解する人工知能（ＡＩ）のアルゴリズムや最適なセンサーの配置などを検証する。ある程度、システム側が生活パターンを理解できるようになってきており、最終的に数日間の生活パターンの学習により、生活リズムに合わせて機器が動く状態を目指す。

例えば朝起きてリビングに行くと、自動的にコーヒーメーカーがコーヒーを入れ、テレビの電源が付いて好みの番組を流すといった機能を想定する。家庭用ＩｏＴ機器は販売が始まったばかりで、開発余地は広い。機器側が人の生活リズムを理解することはＩｏＴ機器の開発で方向性の一つになりつつある。

ＳＥＬＴＥＣＨは、ＩｏＴ機器用のセキュリティー技術も提供している。ＡＩとセキュリティーの両技術をそろえ、安全なＩｏＴ環境を構築できる点で他社と差別化し、家電や住宅などの多様な業界に技術を訴求する。