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METI Journal×日刊工業新聞/エネルギー(下)【世界レベルのCO2削減に貢献を】

(2018/2/22 05:00)

≪インタビュー/コマツ相談役 坂根正弘氏≫

【『S+3E』のバランス】

―エネルギー政策をめぐり、世界各国が激しい競争を繰り広げています。日本はどのようなポジションを取るべきでしょうか。

「当分は『S+3E(安全性を前提にエネルギーの安定供給、経済効率性の向上、環境への適合)』のバランスで考えるしかありません。国の国際競争力と経済力を維持できた上で、初めてバランスを議論できる。国がじり貧になっては元も子もありません」

―日本がベンチマークにするべき国は。

「日本と同じ島国の英国と、製造業中心の産業構造を有するドイツです。50年の温室効果ガス8割減という目標に対し、英国は原発を諦めてはいません。一方、ドイツは脱原発を達成すると言っています。ただ、ドイツは北部で再生可能エネルギーを用いて発電し隣国に売電する一方、工業地帯の南部ではチェコやフランスの原子力発電による電力を買っています。国内単独での発電量とCO2排出量を厳密に精査し、彼らがもし原発なしでも温室効果ガス削減目標を実現できるというなら(私個人は極めて懐疑的ですが)、日本にだってできますよね。英国、ドイツが純粋に国内ベースで達成するレベルをしっかりと把握し、日本はその同等以上を目指すべきです」

【パートナー10カ国超え】

―途上国の温室効果ガス削減に貢献することも重要な役割です。

「日本は世界最高水準の発送電技術を維持した上でエネルギー自給率をできる限り高め、2国間クレジット制度(JCM)などにより、世界レベルでCO2削減に貢献していくしかありません。パートナー国は十数カ国に膨らんでいます。ドイツも長期目標に、北アフリカなどの太陽光発電所で発電した電力を調達することをうたっています。海外の原発による電気で電気分解した水素を日本に運ぶスキームなど、将来は可能になるかもしれません」

―エネルギー問題に対する国民の意識向上も欠かせません。

「化石燃料が枯渇する現実を遠い将来と思うか、近い将来と考えるか。地球の歴史を1年とし、46億年前を1月1日午前0時とすると、化石燃料を使ってきたこの100年は除夜の鐘の108つ目、わずか0.7秒。たった0.7秒の間でエネルギーを使いまくってきたんです」

*続きはMETI Journalでお読み下さい

『METI Journal』は経済産業省の公式情報サイトです

(2018/2/22 05:00)

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