[ オピニオン ]

社説/大阪・関西万博 おもしろさ生かし誘致実現を

(2018/6/22 05:00)

日本が大阪への誘致を進める2025年国際博覧会(万博)の開催国が、11月に170カ国の投票で決まる。万博が大阪に決まれば、さきの大阪北部地震で被害を受けた大阪・関西の活性化に勢いがつく。持ち前の“おもしろさ”を生かし地域の魅力を発信し、ロシアとアゼルバイジャンとの誘致合戦を制してもらいたい。

6月13日、パリで開かれた博覧会国際事務局(BIE)の総会で、日本は3回目のプレゼンテーションにライバル2国とともに挑んだ。最終段階のPRの場となった局面で日本側の助っ人に立ったのは、大阪出身でノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授。

山中教授は大阪・関西の特徴を、漫才師が集中し、科学者のノーベル賞受賞者も多いことから「いつも、クリエーティブでありたい、独創的でありたい、“おもしろい人間”でいたいものだと、そう思っているところがある」と紹介。「大阪・関西万博のため、それを偉大な実験室とするために、どんなことでも、やれることはなんでもやるという誓いです」と強調した。

今回の万博は、17年から官民中心にオールジャパンで誘致体制を組む。特に関西財界は商社ネットワークを駆使し、BIE加盟国170カ国のうち、49カ国を占めるアフリカ諸国などへ支持獲得を呼びかける。今回のプレゼンでも、万博参加国のうち途上国など約100カ国に対し、総額2億1800万ドルの支援を行うと表明した。

万博会場を予定するのは、大阪市沿岸部の人工島「夢洲(ゆめしま)」。大阪・関西の官民では、今回の万博を、カジノを含む統合型リゾート(IR)とセットで呼び込むことも狙う。

大阪万博は国連の2030年目標「持続可能な開発目標(SDGs)」ともリンクし、世界80億人が社会課題解決のアイデアを交換する壮大な実験場とも位置づける。11月の最終投票まで予断を許さないが、山中教授が指摘する、大阪・関西の持つ“おもしろい発想”を生かせる場にもなると期待でき、誘致を実現してもらいたい。

(2018/6/22 05:00)

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