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(2023/5/29 05:00)
地道なガス研究、必ず成果
(総合1から続く)小さい頃から算数が得意で、町中でも車のナンバーを覚えたり、親との買い物でお釣りを先に計算したり、とにかく数字が好きな子どもでした。高校も理数科に進学しました。
新潟大学工学部では応用化学を専攻しました。卒業論文テーマは「酸素同位体及びイオン濃度からみた新潟県の降水の特徴」。数字を元に分析することに関心があり、研究室を選びました。校舎の屋上で一定時間ごとに雨を採取し、得られた数値と気象庁のデータなどを照合しながら、風の影響や黄砂の様子などを調べます。数字を見るとグラフ化したくなる性格なので、楽しく研究できました。
入社してすぐ今の職場に配属されました。開発業務ではガスの分析技術やアプリケーション技術の開発を担っています。前者の仕事では特定のガスを効率よく吸着、脱着する方法などを研究しています。媒体を変えながら吸着と脱着の作業を何度も繰り返す地味な作業です。
後者では新しい食品用ガスの探求にも挑んでいます。現在、カフェやレストランで泡状のホイップクリームやメレンゲを調理する機器に亜酸化窒素というガスを使っています。ディスペンサーにガスを充填後、シェフや店員がそれを振ってから調理に使うのですが、他のガスを使うことで、作業負荷を軽減できないかと考えています。こちらも地道な作業の連続。良いガスが見つかってもコストが合わないなど「3歩進んで2歩下がる」の繰り返しですが、いつか結果を出します。
趣味は国内旅行で、全都道府県の制覇を目指しています。出かけていない県が多く、これからが楽しみ。この夏こそは沖縄に行って美しいビーチを満喫したいですね。(文・写真=東北・北海道総局長・大橋修)
◇東邦アセチレン 環境保安・品質保証部 杉田典子(すぎた・のりこ)さん
(2023/5/29 05:00)