「人づくり」

企業は人なり/IT働楽研究所−他社の社員や学生も参加

毎回40―50人が聴講する勉強会

毎回40―50人が聴講する勉強会

 IT働楽研究所(東京都千代田区、03・5298・5301)は、ソフトウエアやネットワーク・サーバシステムの開発などを手がける。西島富久社長は日立製作所で30年以上、通信・ネットワークなどの開発に携わった後、2003年に独立して同社を設立した。
 同社は04年1月から毎月、原則第2土曜日に「IT働楽研究塾」と題した勉強会を開いている。講師は大学教授や社内外の技術者らだ。様々な分野でトップレベルに昇りつめた人の考え方やエピソードから、自らの技術を磨くヒントを得てほしいとの狙いがある。「中小企業である当社で著名な教授や一流のエンジニアが講演してくれるのはありがたい」と西島社長は笑顔を見せる。
 テーマは、ソフトウエアの開発技法の動向といったITにかかわることから、東京ディズニーリゾートのヒットの理由まで、多岐にわたる。「(本来、会社は休日の)土曜にもかかわらず社員の出席率は高い。技術だけでなく、マネジメントなどに関しても学ぶことで、広い常識と深い専門性を兼ね備えた立派なビジネスマンを育てたい」(西島社長)という。
 「社員に対してだけでなく、外部に関しても社会貢献したいと思った。自己啓発に役立ててほしい」(同)との考えから、同社社員のみならず大学生や専門学校生、他社の社員も無料で参加できるのが特徴だ。毎回40―50人が聴講する。
 座学に加え、先輩社員が実際に機械を扱いながらスキルを伝える実践講座を毎月開くなど、現場で役立つ講義も開いている。リーダー格の技術者には若手であっても経営会議への参加を促す。
 業務上必要な資格については社外講師を招いてセミナーを開き、資格取得時には表彰状や手当を支給してモチベーション向上につなげている。
 西島社長が同社を設立したのは就職氷河期の末期。若者に仕事を提供したいとの思いが動機の一つだったと語る。「技術よりも人間性を重視したい」と、IT業界で勤務経験がなくても「責任感があり、粘り強い」人材を積極的に採用しており、ファストフード店長や養護学級教諭を経験した多様な人材が入社している。
 約200人いる社員は普段、取引先の企業に常駐していることが多い。そこで毎年4月に開く社員総会や10月の研修旅行で会社のビジョンや価値観を共有するよう努めている。「200人そろったのを見ると『みんなよく育ってくれた』『これだけ人材がいれば、いろいろチャレンジできる』と感じる。人を大切にしたいとの発想が社員育成の原点」(同)という。

8月31日(火曜日)付 日刊工業新聞4面から

【連載企画】 企業は人なり

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