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第20回:航空機を支える(12)―小糸工業 中・小型機に対応
他社に先駆けて導入した衝撃試験設備 中・小型旅客機の市場拡大が見込まれる中、機体の安全性や燃費改善に対する要求はますます高まっている。特に、航空機用シートの改良は、この解決に大きく貢献する。航空機用シートで国内トップシェアを誇る小糸工業は、軽量化と安全性を両立する高付加価値型製品の開発で、国内外の主要メーカーから高い支持を獲得。航空機用シート部門はここ3年間で売り上げを約2倍に伸ばし、08年3月期は約130億円に達した。 安全・軽量・防磁 航空機用シートの開発では、安全基準の達成が最初のハードル。米国連邦航空局(FAA)は、胴体着陸時に16Gの衝撃に耐えることを定めており、一部の機体に限っていた対象を09年から拡大する。世界のメーカーがこの対応を急ぐ中で、小糸工業は89年から新型シートの開発に着手。91年には航空機用シートメーカーで世界初となる衝撃試験設備を開設し、約300回の試験により基準を達成する製品をいち早く製品化した。 軽量化でも業界をリードする。数年前には炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いたフレームの開発で、従来比で2割以上の軽量化に成功。このシートの導入を決めた米ボーイングの中型旅客機「787ドリームライナー」は、機体全体の改良で従来機より25%も燃費を改善したという。 さらに、あまり知られていないのが防磁対策の追求だ。航空機メーカーは機体の軽量化に向け、通信系統の無線化を進めており、快適性への配慮でアクチュエーターが増える一方のシートには、通信系統との電波干渉を防ぐ機能が求められている。同社はこれに応え、97年に大規模な電磁環境試験センターを設置。現在はシートから放出される電磁波を、携帯電話1台分に満たない水準に抑えている。この技術は世界でも独自のものだ。 高機能で差別化 航空機用シート業界では今後、「エコノミークラスに特化した量産品と、ビジネスクラス以上の高付加価値品の2極化が進む」(掛川隆常務)という。 現在の同社のシート部門の売り上げ構成比は、ビジネスクラス以上と、エコノミークラスの比率が5割ずつ。今後はエコノミークラス以外の比率を6割以上にし、多品種小ロットの高付加価値型製品を量産。欧米系メーカーには低価格品の量産に特化する企業が多く、これらに対抗する。日本発のシートづくりの技術が、世界の航空機需要を下支えする。 |









