産業春秋／フットボールの進化

米ナショナル・フットボール・リーグ（ＮＦＬ）の王座を決めるスーパーボウルが行われ、デンバー・ブロンコスが１７年ぶり３回目の頂点に立った。司令塔のマニングは３９歳で最年長の勝利クオーターバックとなった▼テレビ視聴率４０％を超す米国最大のスポーツイベントは今年５０回の節目。それだけに会場となったカリフォルニア州サンタクララだけでなく、全米を挙げてのお祭り騒ぎで例年以上の盛り上がりをみせた▼試合は前評判で攻撃力にまさるカロライナ・パンサーズが堅守を誇るブロンコスより有利とされた。しかし、いざフタをあけてみるとブロンコス守備陣がパンサーズの攻撃を封じ込め、ＭＶＰも守備の選手が獲得した▼ＮＦＬの最大の魅力は、いかにも米国らしい力と力のぶつかりあいにある。体重１００キログラムを超す選手陣が大相撲の立ち会いのように激突するため、防具のきしむ音がすさまじい。また攻守ともすべてのプレーはコーディネーターによって計算し尽くされている▼近年、バレーボール、サッカー、ラグビーなどでも練習や作戦にデータを取り入れ、活用している。その始まりはＮＦＬにあり、進化もめざましい。産業界も大いに参考にすべきものがあるのではないか。