産業春秋／減産と減量

年に一度の会社の健康診断。日ごろの不摂生を見透かされるような、嫌な予感がしていた。案の定、体重が３キログラムも増えていて、最近の行いを悔い改めることになった。

３年前に糖質制限食で２０キログラム強の減量に成功した。昨年まではその水準を維持できたので、仕事のフットワークも軽かった。安心したせいか今年に入って、夜食が過ぎることが多くなった。

先週の石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）の総会は、産油国の増産凍結のとりまとめに失敗した。「予想通り」との見方が大勢を占めるが、ようやく１バレル＝５０ドル台にまで回復した原油価格の先行きは不透明になった。

原油安は確かに日本経済に恩恵をもたらす。ただ電力やガソリンが安くなると、つい使いすぎてしまうという困った面もある。一方で原油安による資源国経済の停滞は、世界経済の大きなマイナス要因だ。日本にも直接・間接の打撃が及ぶ。

安価な食べ放題で腹いっぱいになるより、体重を減らして昔のジャケットを着られる方が幸せだし、経済的にもメリットがあるというのが私的経験。しかし、それを実現する環境を整えるのは意外に難しい。ＯＰＥＣの減産交渉の行方は分からないが、自分の減量はしっかりやろうと心に誓った。