[ オピニオン ]
(2016/7/20 05:00)
豪雨で水かさが増した手取川(石川県)を利用し、柴田勝家が率いる織田軍を破ったとされる上杉謙信。1日だけ霧が晴れたのを利用し、米軍に“奇跡の成功”と言わしめた旧日本軍のキスカ島撤収。気象条件を利用して戦いを有利に導いた例は史上、枚挙にいとまがない。
東海地方以西は18日までに梅雨明け。関東甲信も平年なら21日ごろに梅雨明けし、本格的な猛暑に突入する。飲料メーカーにとっては最大のかき入れ時だ。この商戦に勝利を収められるかどうかで年度業績の大勢が決まる。
猛暑で飲料が売れた時には、増産体制がものをいう。準備不足で必要本数をそろえられなければ販売機会ロスになる。では増産対応をしておけばよいかとなると、さにあらず。冷夏や長雨に転じれば、売れなくなった飲料は特売に回されて赤字を生じる。
昨年も一昨年も、飲料メーカーの多くは夏の気まぐれな気象変化を読み切れずに“負け戦”に追い込まれた。今夏は今の時点では猛暑になる予想だが、結果は終わるまでわからない。
最近では気象変化と販売予測に、IoT(モノのインターネット)や人工知能を活用する試みも始まった。飲料メーカーの参謀たちは、この夏をどう戦うつもりだろうか。
(2016/7/20 05:00)