[ 科学技術・大学 ]

岐阜県産技センター、微細な多孔質複合材を開発−骨・歯など補填材に応用へ

(2016/8/30 05:00)

  • 複合材料の外観、右から細孔の直径が100㍃㍍、1㍃㍍、細孔なし(岐阜県産技センター提供)

岐阜県産業技術センター環境・化学部の浅倉秀一専門研究員らは、微細な木質繊維(パルプ)であるセルロースナノファイバー(CNF)をリン酸カルシウムに混合した複合材料を開発した。直径1マイクロ―100マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の孔を無数にあけられるため、細胞が浸入して定着できる可能性がある。骨や歯などの補填材料への応用に向けて研究開発を進める。

リン酸カルシウム中で、長さ数マイクロメートルのCNFがネットワーク構造をつくり材料全体を補強する。CNF表面の水酸基とリン酸カルシウムの酸素が水素結合する。リン酸カルシウムだけで多孔質材料をつくり圧力をかけると粉々に壊れてしまうが、CNFを加えて材料に粘りを持たせた。

リン酸カルシウムだけでつくった多孔質材料が約2メガパスカル(メガは100万)の圧力で壊れたのに対し、CNFを5%加えると約10メガパスカル、同20%で40メガパスカルに強度が向上した。従来は樹脂ビーズを混ぜ、ビーズを高温で熱分解して細孔を作っていた。CNF複合材は粘りがあるため、混合液をそのまま乾燥させるだけで細孔ができる。

今後、歯科材料メーカーなどと生体適応性を調べ、5年程度での実用化を目指す。成果は9月7日に広島県東広島市で開かれる「日本セラミックス協会第29回秋季シンポジウム」で発表する。

(2016/8/30 05:00)

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