[ トピックス ]

ノーベル賞に大隅氏−生理学医学賞、たんぱく質の再利用発見

(2016/10/4 05:00)

スウェーデンのカロリンスカ医科大学(ストックホルム)は3日、2016年のノーベル生理学医学賞を大隅良典東京工業大学栄誉教授(71)に贈ると発表した。授賞理由は「オートファジー(自食作用)の仕組みの発見」。酵母の細胞が不要なたんぱく質などを自ら分解し、再利用する現象「オートファジー」の観察に初めて成功した。

同日、東工大の大岡山キャンパス(東京都目黒区)で会見した大隅栄誉教授は「この上もなく名誉なこと。ノーベル賞には格別の重さを感じている」とした上で、「サイエンスに終わりはない。酵母でもまだ先導できることがある」と、これからの研究に意欲を示した。

日本のノーベル賞受賞者は25人目。生理学医学賞の受賞は、15年の大村智北里大学特別栄誉教授(81)に続き4人目となる。授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金800万スウェーデンクローナ(約9500万円)が贈られる。

大隅栄誉教授は東京大学助教授時代の1988年、飢餓状態にした酵母の細胞内の小器官「液胞」が、たんぱく質などを取り込んで分解するオートファジーの過程の観察に世界で初めて成功した。その後、93年にオートファジーの関連遺伝子を特定するなど、あらゆる動植物の細胞が備える基本的機能であることを示してきた。

オートファジー関連遺伝子はこれまでに18個見つかっている。関連の論文の発表件数は90年代初頭に年10件程度だったが、現在は同5000件程度に増えている。がんや神経疾患などの病気にオートファジーの異常が関わっていることも明らかとなっており、治療への応用が期待されている。

■東工大栄誉教授 大隅良典氏

おおすみ・よしのり 72年(昭47)東大院理博士単位取得退学、74年同大学理学博士取得。74年米ロックフェラー大研究員。77年東大理助手、86年講師、88年同大学教養学部助教授。96年岡崎国立共同研究機構(現自然科学研究機構)基礎生物学研究所教授。09年東工大特任教授、14年栄誉教授。05年藤原賞、06年日本学士院賞、09年朝日賞、12年京都賞、15年ガードナー国際賞、同年国際生物学賞、同年文化功労者など受賞多数。福岡市出身。

【関連記事】

(2016/10/4 05:00)

関連リンク

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

イチから正しく身につける 
カラー版 機械保全のための部品交換・調整作業

イチから正しく身につける カラー版 機械保全のための部品交換・調整作業

めっちゃ使える! 
設計目線で見る 「部品加工の基礎知識」
形状、精度、コストのバランスが良い機械部品設計のために

めっちゃ使える! 設計目線で見る 「部品加工の基礎知識」 形状、精度、コストのバランスが良い機械部品設計のために

技術士第一次試験 
「環境部門」専門科目 問題と対策
第4版

技術士第一次試験 「環境部門」専門科目 問題と対策 第4版

技術士第一次試験 
「機械部門」 合格への厳選100問 第5版
合否を決める信頼の1冊!

技術士第一次試験 「機械部門」 合格への厳選100問 第5版 合否を決める信頼の1冊!

雲海を翔る
クラウドベンチャー“サテライトオフィス”の成長力

雲海を翔る クラウドベンチャー“サテライトオフィス”の成長力

利益が出せる生産統制力
異常の芽を事前に摘み取るQCD管理

利益が出せる生産統制力 異常の芽を事前に摘み取るQCD管理

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

↓もっと見る

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件、無料登録会員は最大30件の記事を保存することができます。

会員登録/ログイン

このサイトでは、アクセス状況の把握や広告配信などのためにクッキー(Cookie)を使用しています。オプトアウトを含むクッキーの設定や使用の詳細についてはプライバシーポリシーページをご覧ください。

閉じる