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【熊本地震】地下水のヘリウム、地殻の歪みで増加−東大が評価

(2016/11/30 05:00)

東京大学大気海洋研究所の佐野有司教授らは、地震による地殻の歪みが大きいほど、地下水に含まれるヘリウムが多くなると明らかにした。4月に発生した熊本地震の震源地付近の地下水が含むヘリウムの量は、地震発生前と比べて多くなっていた。ヘリウムの変化を、地殻の歪みと関連づけて評価したのは初めてとなる。

京都大学、熊本大学、東北大学との共同研究。成果は29日、英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

研究グループは熊本地震の発生2週間後、震源域にある深さ280―1300メートルの井戸7カ所から地下水を採取。水中の気体成分を、同じ井戸から別の研究グループが2010年8月に採取していたデータと比較した。

すると、地震による地殻のゆがみが大きいほど、岩石から水中へ多くのヘリウムが放出されていた。帯水層の岩石が地震により破壊され、岩石中のヘリウムが地下水に流出したと考えられるという。

地下水が含むヘリウムを定期的に観測すれば、防災に役立てられる可能性がある。

(2016/11/30 05:00)

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