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設計・開発フロンティア/JR東海−新幹線「N700S」の床下機器

(2016/12/6 05:00)

  • 風洞実験用の先頭車両模型(実験施設)

JR東海は2020年度に東海道新幹線に投入する新型車両「N700S」の開発を進める。床下の駆動システムのコンバーター、インバーターに炭化ケイ素(SiC)素子のパワー半導体を採用し、小型・軽量化する。顔である先頭車両の形状はシミュレーションと風洞実験により、風切り音などの騒音を数%減らす。

13年に投入した「N700A」以来の新型車両で、SiC素子は大手電機メーカー4社と共同開発した。SiC素子は発熱量が少なく、冷却機構を簡素化できるため、小型・軽量化が可能になる。

走行中の床下の風を取り込む冷却方式との組み合わせにより、1編成当たりの駆動システムの重量は、N700系の2割減の約47トンにできる。総合技術本部技術開発部の佐藤賢司車両制御チームマネージャーは「さらに軽量化できる」と限界まで挑戦する考えだ。

コンバーター、インバーターの小型・軽量化で、変圧器とひとまとめにするなど、床下機器の配置を現在よりコンパクトにできる。8種類ある配置パターンを4種類に集約できるため、さまざまな新幹線に適用できる標準車両が実現する。

16両の東海道新幹線以外にも、8両や12両の新幹線にも適用できるため、海外の新幹線方式の高速鉄道に車両を売り込みやすい。

先頭車両の形状は、N700Aに改良を加えた最終形状が既に決定。車両に沿って左右に直線の隆起を設けるなどして、空気抵抗を減らす。

形状の決定には4年間かけた。前半の2年間は制約なしに自由に考え、後半の2年間は実際の条件を基に考えた。シミュレーションソフトを用いて形状を考案し、15年2月には模型に強風を当てる風洞実験を開始し、データを取得・分析していった。

技術開発部の阿彦雄一高速技術チームマネージャーは「シミュレーションは手段でしかない」と説く。技術者のアイデアや工夫があってこそ、最終形状が生まれたと言える。(名古屋・戸村智幸)

(2016/12/6 05:00)

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