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[ 科学技術・大学 ]
(2017/1/6 05:00)
電波望遠鏡で一瞬だけ強い電波を観測する謎の現象「高速電波バースト(FRB)」について、米国立電波天文台などの国際チームは、その一つの発生場所がぎょしゃ座の方向に約30億光年離れた矮小(わいしょう)銀河だったと発表した。論文が5日、英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。
FRBは2007年に発見されたが、電波が1000分の数秒しか届かず、発生場所を絞り込めた例が少ない。ぎょしゃ座のFRBは12年に見つかり、例外的にその後も繰り返し電波を発したため、世界各地の電波望遠鏡で位置を正確に突き止め、米ハワイにある大型光学望遠鏡による観測で矮小銀河と特定した。
発生源は、巨星が寿命を迎えて超新星爆発を起こした後に残る中性子星か、銀河の中心にある超大質量ブラックホールの周辺から噴出するジェットが有力候補と考えられる。この矮小銀河からは別の弱い電波も継続的に届いており、発生源が同一かどうかが、解明する手掛かりになるという。
(2017/1/6 05:00)