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[ 医療・健康・食品 ]
(2017/1/17 05:00)
術野に超音波3D画像表示
【立川】菊池製作所は拡張現実(AR)技術を使ってヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)に超音波診断画像を3次元(3D)表示する医療機器システムの開発にめどをつけた。医師は診断画像と実際の患部映像の重畳画面で患部の位置や状態を確認しながら、手術や中心静脈穿刺(せんし)などの処置ができる。2018年4月期中に臨床試験と薬事申請をする計画だ。19年4月期の製品化を目指す。
開発中の「菊池医療3D―ARシステム」(仮称)は、電気通信大学大学院情報システム学研究科の田野俊一教授らとの共同開発。患部の周囲に複数の光学式マーカーを置き、独自のHMDでマーカーを見るだけで、患部の正しい位置に超音波診断画像が3Dカラー画像で表示される。HMDの重量は200グラム以下に軽量化した。
システムは、外部の状況をカメラを通じて映すビデオ透過HMDと超音波診断画像を3Dカラー画像に処理する制御装置で構成。制御装置には最大4台のHMDを接続でき、チームでの手術にも対応した。既存の超音波診断装置を使用可能なため、導入費用を軽減できる。発売時の価格を100万―500万円内に抑え、大学病院だけでなく一般病院も導入可能にする方針だ。
現在、東京大学医学部付属病院などの協力を得て機能評価の段階にある。肉眼でも患部を確認できるようにHMDを上げられる機能などを追加した。15年度の「ふくしま医療福祉機器開発事業費補助金」を活用した。
肝臓手術などでは超音波診断装置が使われるが、モニターが患部と離れた位置に設置されるため、患部位置の把握や構造理解が難しかった。同社はこれらの問題を解決できるシステムとして国内外で売り込む。
(2017/1/17 05:00)
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