[ 科学技術・大学 ]

大阪市大、太陽光でCO2をギ酸に変換するガラス板を作製−生成効率15倍に

(2017/2/3 05:00)

  • 太陽光-ギ酸合成システムを固定した多孔質ガラス板(大阪市大提供)

大阪市立大学複合先端研究機構の野地智康特任講師らは人工光合成技術を用いて、太陽光で二酸化炭素(CO2)をギ酸に変換するガラス板の作製に成功した。多孔質ガラスを使うことで従来の溶液によるギ酸合成に比べ、生成効率を約15倍高めた。別途開発が進むギ酸を水素やメタノールに変換する触媒技術と組み合わせ、「太陽光で液体・気体燃料を合成するガラス板」の製作も期待できるという。

太陽光でCO2をギ酸に変換するには、触媒分子を分散させた溶媒に光を当てて合成していた。しかし、ギ酸だけの抽出は困難でコストも高い。効率良く回収するには、人工色素とギ酸脱水素酵素などからなる「太陽光―ギ酸合成システム」を基板に固定する必要があった。

研究チームは、光を透過し、ナノメートル(ナノは10億分の1)サイズの穴を無数に持つ多孔質のガラス板に着目。穴の中に同システムを高密度に固定することができた。

現時点でギ酸の合成には電子を供与する試薬が必要。今後、水から電子を取り出せるよう開発を進め、太陽光で水と二酸化炭素からギ酸を合成できるガラス板の開発を目指す。

(2017/2/3 05:00)

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