[ ロボット ]
(2017/2/6 05:00)
産業用ロボットメーカー各社が半導体分野の開拓に乗り出す。安川電機は営業、開発を再度、強化する方針。ウエハー搬送ロボットでトップシェアの川崎重工業は生産能力を6割程度高める。IoT(モノのインターネット)や車載センサーの普及などにより半導体需要が膨らむ見通し。市場の拡大が期待されるロボット業界においても、成長分野の一つと目されている。
安川電機は2000年代後半以降の需要変動を受け、13年発表のウエハー搬送ロボ「セミスター―MR124」以来目立った新製品を投入していなかった。ただ、足元の好調な市況を踏まえ戦略を変更した。
半導体分野を担当する営業、開発の人員を増員。体制整備のため、ロボット事業部関連の組織変更も検討。
ウエハー搬送用で5割近くのシェアを誇る川重は、増産のため半導体向けロボットの製造を明石工場(兵庫県明石市)から西神戸工場(神戸市西区)に今秋に移管する。月産能力は1300台に増強する。これにより、15年度から右肩上がりで伸びている受注に対応する方針だ。
ウエハー搬送ロボを手がける平田機工も17年3月期連結決算業績予想を上方修正した。成長が続くロボット産業の中でも半導体関連の好調ぶりは際立っている。
日本ロボット工業会の会員向け統計では、16年の半導体向けロボットの出荷台数は前年比19・2%増の1万923台となり、過去最高を更新。シェアの挽回を目指す安川電機をはじめ、今後の各社の動きが注目される。
(2017/2/6 05:00)