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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/15 05:00)
理化学研究所は特に有望な若手研究者を高待遇の研究チームリーダーとして雇用する新制度を始めた。博士号を持たなくても研究室の主宰者として年俸約1000万円、任期は7年間とする。若手に力を発揮してもらい、革新的な研究成果に結びつける狙い。人文社会科学との境界領域を含め、飛び抜けた才能を持つ若手を世界から集める新手法と位置付けている。
開始した新制度は「理研白眉制度」。年数人選ぶ「理研白眉研究チームリーダー」は、国際公募で提案・採択された研究課題を基にチームを率いる。研究費は年1000万―4000万円で、研究スペースは約150平方メートル。人工知能(AI)や数理科学など境界領域に特に期待しているという。
チームには専門的な助言者を付けるほか、月1回程度の理事長面談や他の白眉研究チームリーダーとの交流による育成も行う。初年度の着任は2018年1月以降を予定する。
理研の松本紘理事長は、「日本の若手は、競争的資金を取った研究グループの“傭兵”となってしまい独創性を伸ばせない」と課題を指摘。その上で、「世界の大規模公開オンライン講座では、驚くほど優秀な10代が発掘されている」と世界レベルで優れた若手研究者の登用に期待する。また、「採用者が海外に戻っても若手だけに、国際研究交流の架け橋になるはず」と外国人採用にも積極的だ。
理研は雇用制度改革を推進中で、ほかに若手向け「基礎科学特別研究員」制度や、年俸制で定年までいられる仕組みの拡大に取り組む。研究員約3000人のうち定年まで働けるのは現在約1割だが、将来は4割に引き上げる計画だ。
(2017/5/15 05:00)
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