[ 機械 ]

MF―Tokyo2017/インタビュー(9)ファナック執行役員・西川祐司氏

(2017/6/27 05:00)

【ファナック執行役員FA事業本部レーザ研究所長】

―工作機械用コンピューター数値制御(CNC)装置や溶接ロボットなどの従来の展示に加え、ファイバーレーザーシステムを初出展します。

「これまでファイバーレーザー発振器は需要が大きい出力2キロ―6キロワットを投入してきたが、2017年に販売を始めた同500ワットと同1キロワットも出展し、基本的なラインアップが完成したことをアピールする。性能面では例えば厚さ5ミリメートル以下の板金を出力が同じ1キロワットのファイバーレーザーと二酸化炭素(CO2)レーザー発振器で切断した場合、ファイバーレーザーの方が少し厚めに切れる特徴なども訴求したい」

―ファナック製の工作機械用CNC装置で制御できるファイバーレーザー発振器を開発しています。

「同発振器により当社製のCNC装置を搭載した旋盤やマシニングセンターなどにレーザー機能を付加できる。例えば、旋盤で加工対象物(ワーク)を加工した後に、そのままレーザーで文字の印字や焼き入れなどが可能になる。工作機械の利便性を向上できる製品として7月の販売を予定する」

―CNC装置、サーボモーター、レーザー発振器を自社開発していますが、その狙いは。

「各装置を一つのシステムとして開発することで、モーターとレーザー発振器の制御の同期性を高めるなど、工作機械やロボットの性能を最大限引き出せると考えている。展示会では旋盤の実験機に工具の代わりに出力3キロワットのファイバーレーザーシステムを搭載し、細い管を回転させながら切断や印字をする同期旋盤的なレーザー加工を実演する」

―ロボットとレーザー発振器の連携についてはどうですか。

「出力6キロワットのファイバーレーザー発振器とロボットを組み合わせ、自動車部品の溶接を模擬した実演を披露する。ロボットコントローラーでレーザーの状態が確認できる機能を盛り込むなど、最新の加工モニター技術を見ていただきたいと考えている」

【記者の目/注目される総合力】

壬生工場(栃木県壬生町)にレーザー発振器の新工場を建設する。月産能力は400台で、10月の稼働を予定。一方、出力500ワット、1キロワットのファイバーレーザー発振器を投入し、工作機械用CNC装置で制御できる発振器も開発する。供給能力の向上や品ぞろえの拡充で販売の役割も重要になるなか、「ワンファナック」としての総合力が注目される。

(西沢亮)

→ MF-Tokyo2017特集

(2017/6/27 05:00)

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