[ 科学技術・大学 ]

東京農工大など、丈夫な“人工細胞”作製−構造体にDNA骨格

(2017/6/27 05:00)

  • DNA骨格を持つリポソームの構造。拡大図は人工DNAによるネットワーク構造(東京農工大と東工大提供)

東京農工大学大学院工学研究院の柳澤実穂テニュアトラック特任准教授や東京工業大学情報理工学院の瀧ノ上正浩准教授らは、実際の細胞と同程度の強度を持つ“人工細胞”の作製に成功した。直径50マイクロメートル(マイクロは100万分の1)程度で細胞膜をまねた脂質の構造体「リポソーム」内に人工のDNAを入れ、体内の生理環境にも耐えられる構造を作った。薬用カプセルや化粧品などの開発が期待される。

研究グループは、温度が下がると互いに結合しネットワーク構造を作る40―50個の塩基が並んだDNAを複数準備。リポソーム内のこのDNAは、温度が下がることでゲル状になってリポソームの内側にへばりつき、骨格を形成する。

さらに骨格を入れたリポソームを体液に近い環境の溶液に浸したところ、90%弱が生き残ることを確認した。骨格がないリポソームの生存率は0%だった。

リポソームは薬の輸送用カプセルや化粧品材料として使われている。だが細胞骨格を持たないため、わずかな刺激で壊れるという欠点があり、強度の制御が大きな課題となっていた。

慶応義塾大学や東北大学との共同研究。成果は27日、米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。

(2017/6/27 05:00)

科学技術・大学のニュース一覧

おすすめコンテンツ

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン