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カーエレクトロニクスの進化に対応「ベンチトップ直流電源 小型・ワイドレンジの新モデル」開発者に聞く【菊水電子工業/PR】

(2017/7/4 00:00)

先進運転支援システム開発サポート

 自動車の完全自動運転を目指してカーエレクトロニクス分野で開発が活発化している。交通事故を未然に防止し、快適なドライブにつながる先進運転支援システム(ADAS)の進化が期待される。菊水電子工業は自動運転関連の評価・試験ニーズの高まりを受け、走行制御に関わる車載電装品やADASのエージング(寿命)試験などに適したコンパクト・ワイドレンジの直流電源「PWR―01」シリーズを投入した。同社の開発者に製品の特徴や強みを聞いた。

動作領域を大幅拡大 新設計で機能性向上

  • 製品開発一部開発二課主任  高井 優氏

―小型ベンチトップ直流電源として「PWR―01」シリーズを製品化しました。開発の背景と狙いを教えて下さい。

高井

 コンパクト可変スイッチング電源『PAS』シリーズとワイドレンジ直流安定化電源『PWR』シリーズの既存2電源を統合し、機能性向上とコンパクト化を図ったのが新モデル『PWR―01』シリーズだ。出力400ワット、同800ワット、同1200ワットの3モデルを用意した。各モデルが示す出力電力カーブの動作領域範囲内であれば、1台で必要な電圧と電流を組み合わせられる。

 単一レンジの電源は提供できる電圧と電流が決まっており、ユーザーが試験などで必要な電流がない場合、これまでは対応可能な電源を別途購入する必要があった。PWR―01はワイドレンジなので、1台で広い電圧と電流の組み合わせが可能だ。400ワットタイプは4機種分の単一レンジ電源を1台で賄える。400ワットタイプは価格を旧モデルと同等の10万円台に抑えた。ワイドレンジ直流電源では最小サイズとなる。

―新機能として通信機能を備えたデジタルインターフェースを搭載しました。

高井

 LAN、RS―232C、シーケンスのトリガーIN、トリガーOUTの端子、USBポートといったデジタルインターフェースを標準装備した。他社製の電源はオプションとなるが、PWR―01は1台で済む。多様なデジタルインターフェースに対応することでユーザーの利便性向上に役立つ。
  • 製品開発二部機構デザイン課 谷城 芳正氏

―開発時にどんな技術的課題はありましたか。また、どのようにクリアしましたか。

谷城

 熱対策に苦労した。サイズがコンパクトになったことや、デジタルインターフェースを搭載したことで熱を逃がすため内部構造やヒートシンクの形状を何度も見直した。PWR―01はヒートシンクを整流板の代わりに使い、風が前面から後方に抜けるようにしている。このほか設計の最終段階になってトランスが他部品に干渉することが判明し、一から設計をやり直したこともあった。

―機構面で工夫した点はありますか。

谷城

 やはり熱対策になるが、従来はくし形だったヒートシンクを板状とし、効率良く放熱できるように切り欠きなどを独自設計した。熱を出す部品をなるべく前面に配置するようにして内部が冷えるようにした。また、安全面に配慮して前面出力端子に対応するプラグをセーフティープラグだけに絞った。

 さらにワイヤキットを極力少なくして、基板同士をコネクターでつなぐ構造にした。デザインに関しても、従来のデザインイメージを崩さず、限られたスペース内に必要な情報を入れるため、ノブやキートップを小さくしつつ使い勝手の面も十分考慮した。

高井

 ワイヤキットは工程上の管理という問題もあるが、ノイズの発生原因となることも大きい。そこで筐体内部のワイヤを最小限に減らし、基板とコネクターで構成するようにした。これにより、ノイズの影響を少なくした。また、基板を組んでしまえばワイヤが抜けて発火する恐れもない。

―製品化に当たって独自開発した技術を挙げて下さい。

高井

 1200ワットタイプは電源ユニットを筐体内部で複数並列に構成している。そのためユニットの出力バランスの調整に苦労した。従来の制御方法では、バランスを確保するために、応答の遅延が発生していた。PWR―01はバランスを維持しつつ高速応答を実現する制御技術を開発した。800ワットタイプも同じ技術を採用している。製品開発と並行して特許出願した。

(聞き手 日刊工業新聞社横浜総局・渡部敦)

【開発の背景】多チャンネル制御が可能 評価・試験用に提案

  • 「PWR-01」シリーズを開発した高井氏(右)と谷城氏

 自動車業界では電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)といった動力性能に優れ、環境にも優しいエコカーの開発が急速に進んでいる。これに加えてカーエレクトロニクス分野では安全・安心で快適な運転をサポートする先進運転支援システム(ADAS)の進化に向けた研究開発が行われている。

 中でもADASは自動車に搭載されたカメラやセンサーといったセンシングデバイスを用いて周辺環境を検知・認識してドライバーに警告し、自動制御するという重要なシステムである。自動車業界では2020年に開催する東京五輪・パラリンピックまでに「条件付き自動化」の自動運転が可能となる「レベル3」の技術開発を目指して、関係各社が開発競争にしのぎを削っている。

 菊水電子工業はADAS関連製品の評価・試験に最適な直流電源など各種電源装置、直流電子負荷装置といった製品群をラインアップしている。特に運転支援システムなどは多チャンネル制御が不可欠であることから、さまざまな試験用途に合わせた多チャンネル制御可能な製品とした。

 新発売のベンチトップ型コンパクト・ワイドレンジ直流電源「PWR―01」シリーズは、バッテリーの代替え電源として電子制御ユニット(ECU)、車載電装品やセンサー類の駆動電源、エージング(寿命)試験など広く活用できる。出力400ワット、800ワット、1200ワットの合計12モデルを用意した。シーケンス機能を搭載しており、トリガー同期が可能だ。

 PWR―01は単一レンジの既存機種に比べ3―4倍の電圧・電流可変域を持つ。コンパクトなサイズで組み込み用途にも適している。今後はシステムインテグレーターなどにも売り込む方針だ。直流電子負荷装置などと同期するシステムを構築し、エージング試験のほか、電源電圧変動試験や負荷変動試験といったユーザーの開発ニーズに合わせたソリューション提案も行っていく。

 自動車業界以外でも成長分野であるロボット、サーバー、医療機器、半導体、通信機器といった幅広い分野に採用を提案する。LAN、USB、RS―232Cといったデジタルインターフェースに対応しており、IoT(モノのインターネット)に関連して計測や監視といった用途にも活用できる点をアピールする。

【関連記事】

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(2017/7/4 00:00)

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