[ エレクトロニクス ]

【電子版】東芝社長、株主総会で「心からおわび」-半導体売却間に合わず

(2017/6/28 14:00)

  • 東芝が開いた株主総会会場に向かう株主=28日午前、千葉市美浜区の幕張メッセ(時事)

 経営再建中の東芝は28日午前、千葉市の幕張メッセで株主総会を開いた。同社は総会までに半導体子会社「東芝メモリ」の売却契約を結ぶ方針だったが、調整に時間がかかり、間に合わなかった。綱川智社長は総会で、売却契約の遅れなどについて「度重なるご迷惑とご心配を掛け、心からおわびする」と陳謝した。

 東芝は半導体子会社を売却し、債務超過を解消したい考え。政府系ファンドの産業革新機構を中心とする「日米韓連合」と売却契約を結び、総会で報告する予定だった。しかし、拙速な契約に対する慎重意見が出る中、出資者間の調整に時間がかかり、契約に至らなかった。東芝は総会の開始直前に、「現時点で合意に達しておらず、現在も交渉中だ」と発表した。

 総会では、監査法人の承認を得ていないため2017年3月期の決算を報告できず、会社側の見通しを説明した。株主からは企業風土改革の遅れや危機感の欠如など経営陣を批判する声が上がった。綱川氏ら9人の取締役については、8月以降に開く臨時株主総会まで暫定的に続投することを諮り、承認された。出席株主数は984人、所要時間は3時間9分だった。

 東芝が公表した暫定値では、17年3月期連結決算は米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の経営破綻に伴う損失計上で1兆円規模の純損失となり、債務超過に陥った。このため、東芝株は今年8月1日に東証1部から2部に降格され、来年3月末までに債務超過を解消できなければ上場廃止に追い込まれる。

 売却契約の遅れは、メモリー事業で提携する米ウエスタンデジタル(WD)との係争が影響している。総会で綱川氏は、WDによって売却手続きが「不当に妨害されている」と不快感を示した。

 総会会場に入る株主からは「経営陣はだらしない。半導体を売却できても何が起こるか分からない」(70歳、無職男性)といった経営陣への怒りや東芝の先行きへの不安の声が聞かれた。

(2017/6/28 14:00)

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