[ 自動車・輸送機 ]

車部品用アルミ鋳造、歩留まり90%実現−リョービが新工法

(2017/7/6 05:00)

  • GDスクイズ鋳造で手がけたエンジンブラケット

【福山】リョービは自動車部品などに活用するアルミニウムダイカストの生産性を向上する新手法「GDスクイズ鋳造」を開発した。一般的な手法の重力鋳造法によるアルミ材料の歩留まりは約50%だが、新手法は複数ある既存手法の良い部分を組み合わせることで約90%に高めた。新手法を用いたダイカスト部品は既に大手自動車メーカーのエンジン周りで採用された。今後は足回り部品などにも提案し、自動車の軽量化に貢献する。

リョービのダイカスト事業の2017年3月期売上高は1856億円で、全社売上高の約77%を占めている。今回開発した新工法は、次の成長をにらんだ種まきと位置付けている。

GDスクイズ鋳造は重力で金型にアルミを流し込む。金型へのアルミ充填後、漏れないようにフタで遮断し、ピストンで加圧する。高圧をかけて、アルミ内部が空洞となる「鋳巣(ちゅうす)」を抑制する。ダイカスト製品と金型の引っ付きを防ぐ離型剤を塗って、アルミの冷却効果を高め、完成までの時間短縮に結びつける。

新手法は既存の重力鋳造とスクイズ鋳造の長所を組み合わせた。重力鋳造は金型にアルミを流して徐々に固める。金型に焼き付け防止の「塗型(とがた)」と呼ぶ断熱層を施すため、仕上がりに時間がかかった。

一方、スクイズ鋳造は下から上に高圧をかけて金型内にアルミを押し込む。生産時間は短いが、縦型で機構が大きく、鋳造機の設備費がかさむ課題があった。

(2017/7/6 05:00)

自動車のニュース一覧

おすすめコンテンツ

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン