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第47回機械工業デザイン賞/経産大臣賞に日立住友クレーンとヤマザキマザック

(2017/7/20 05:00)

日刊工業新聞社は「第47回機械工業デザイン賞」の入賞20製品を決定した。最優秀賞(経済産業大臣賞)は日立住友重機械建機クレーンの「クローラクレーン SCX3500―3」と、ヤマザキマザックの「長尺パイプ・形鋼専用3次元レーザ加工機 3D FABRI GEAR 400Ⅲ」の2点を選定。日本力(にっぽんぶらんど)賞はアマダホールディングスとアマダマシンツールの「超速バンドソー HPSAW―310(ハイパーソー)」など3点を選定した。

同賞は機械分野の製品の中で、優れた機能美と性能を併せ持つものを外部の有識者による審査委員会が選定して表彰する。

贈賞式は27日11時から東京・飯田橋のホテルグランドパレスで行う。

《最優秀賞(経済産業大臣賞)》

【日立住友重機械建機クレーン/クローラクレーン SCX3500−3】

クローラークレーン「SCX3500―3」は大型機ながら、コンパクトさを追求した。標準仕様に加え、クローラークレーンとして初めて後方小旋回仕様を選べるようにした。これにより物流倉庫をはじめ、作業スペースが限られる工事現場に対応する。最大つり上げ能力が350トン。ブーム材の大径化などで剛性を向上させた。また輸送面でも世界各国の規制に配慮。社会インフラの整備を追い風に拡販が進みそうだ。

【ヤマザキマザック/長尺パイプ・形鋼専用3次元レーザ加工機 3D FABRI GEAR 400Ⅲ】

トラックやバスの車台、半導体製造装置の筐体(きょうたい)などに使われる大型のパイプや形鋼を長時間連続で自動加工できる。コンピューター数値制御(CNC)装置による任意の3次元形状の加工が可能で、斜め方向から切断できる。穴開け時間の大幅短縮も特徴だ。加工中でも任意に焦点位置を変更できる自動焦点位置決め機能の効果。集光レンズの手前に任意に曲率を変化できるミラーを採用し、焦点位置を材料表面に合わせられる。

《日本力(にっぽんぶらんど)賞》

【アマダホールディングス アマダマシンツール/超速バンドソー HPSAW−310(ハイパーソー)】

鋼材切断のコストダウン、短納期化を図る帯のこ盤(バンドソー)。特に大径材の中・大量切断を意識した。高速切断にはバンドソーブレードの回転速度を上げ、同時に切り込み量を増やすことが有効だが、ブレードの寿命に影響する。ブレードへの応力を低減するなどの構造を開発し、高速化と長寿命化をかなえた。

【スギノマシン/精密部品加工・洗浄一貫対応ライン】

機械加工、バリ取り、洗浄の各工程と、それらの間でワークを受け渡すロボットに至るまで自社製の装置で完結させた。作業者の動線に配慮し、余計な凹凸形状をなくしている。作業がしやすい900ミリメートルの高さに凹みを構成し、扉下側の開口高さや操作パネルの高さもそろえて、安全性向上と作業上のストレス軽減に配慮した。

【豊田自動織機/トヨタ燃料電池フォークリフト】

国内メーカー初の燃料電池(FC)フォークリフト。既存の電動フォークリフトをベース車両に、トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」と同じFCセルを搭載し、信頼性や先進性を持たせた。2・5トン積みタイプで、水素充填時間は約3分。水素社会実現に向け、環境性能の高い製品として提案する。

《日本商工会議所会頭賞》

【ホーコス/ライン対応ヨコ型マシニングセンタLB70】

自動車部品の量産ラインで、ライン全体が見渡せる機械高さ1600ミリメートルを実現したマシニングセンタ(MC)で省スペース化に貢献する。加工対象物(ワーク)を固定する治具部が上下する構造で搬送装置へのワーク受け渡しが容易となる。可動ユニットのうち、上下軸を治具側に配置したことで高剛性な加工にも対応した。

【和井田製作所/全自動プロファイル研削盤 iPG−X】

金型向けに特化しプロファイル研削では困難とされる生産性の高い自動加工を実現。オペレーターの技量に左右されない完全自動化を狙った。CAM機能が付いた独自対話型ソフトに加工条件などを入力するだけでプログラムが自動生成される。デジタル画像計測との統合で最適な自動補正加工を行う。超精密研削の連続運転が可能となる。

《日本産業機械工業会賞》

【クボタ/業務用加湿空気清浄機 ピュアウォッシャー】

人体に安全で除菌能力の高い微酸性電解水を簡単に取り出せる空気清浄機。空気中のウイルスやカビ、浮遊菌を取り込み、機内で生成する微酸性電解水で除菌する。希釈した同電解水を空気に噴霧し、フィルターで取り切れない菌を除去。消臭性能も高い。1本1リットルの薬液カートリッジで最大3トンの除菌水の生成、取り出しが可能。

《日本工作機械工業会賞》

【ソディック/eV−LINE OPM金型専用生産セルシステムMR30】

ソディックの金属3Dプリンター「OPM」で作った樹脂金型専用の射出成形システム。成形品1個であっても、複数個を同時成形した場合に匹敵する高い生産性と、コスト低減を想定する。乾燥機や温調機といった周辺装置を一体にしたセルシステムとし、これらを個別に用意していた従来より、短期に生産を立ち上げられる。

《日本電機工業会賞》

【島津製作所/近赤外光カメラシステム LIGHTVISION】

乳がん手術時にリンパ管を可視化し、乳がん転移診断を支援する。リンパ管に投与した薬剤インドシアニングリーン(ICG)に励起光を照射し、ICGから発生する微弱な近赤外蛍光を撮影してリンパ管を画像化する。手術中に乳がん細胞に最も近い、直径数ミリメートルのリンパ節を切除して病理診断する際に正確な位置が分かる。

《日本ロボット工業会賞》

【日本電産シンポ/次世代無人搬送台車 S−CART】

レーザー測位計を使った自己位置推定で、磁気テープなどを使用しないガイドレス走行を実現した。初期導入時や設定変更時の調整にかかる手間を大幅削減できる。専用の管理ソフトにより、パソコン画面の地図上から簡単に走行経路を変更できる。大容量バッテリーを搭載したことで、1時間の充電で8時間の連続走行が可能だ。

《日本デザイン振興会賞》

【キヤノン/大判プリンターimagePROGRAF PRO−2000/PRO−4000】

インクジェット式の大判プリンター「イメージプログラフプロー2000/プロ4000」は、一眼レフカメラEOSシリーズと連携し、より高精細な写真表現を狙って開発された。新開発のプリントヘッドと高剛性シャシーを採用し、振動などを抑えて高精度に印刷する。外観に最高峰の写真画質を象徴して赤いラインを配した。

《日本デザイン学会賞》

【サイダ・UMS/21世紀型普通旋盤 VERSEC】

主軸にインバータドライブ、各種送りには独立したサーボドライブを搭載。主軸と送りのギアレス化により、それぞれ制御できるため速度にとらわれず、自在に送りをコントロールする。従来の旋盤ではできなかった多様な素材を最適な切削条件で加工する。可動式の操作パネルなど操作性、安全性を考慮したデザインとした。

《審査委員会特別賞》

【アズビル/グラフィカル調節計 形 C7G】

グラフィカル調節計「形C7G」は装置を制御するのに加え、装置の特徴的な制御応答データを切り出して保存する。データを効率的に収集でき、過去の応答データと比べることで故障の予兆を把握しやすくした。半導体や電子部品、化学製品などの分野で、製造工程の健全性を維持できる。生産性や歩留まりの改善にもつながる。

【カールツァイス/マルチセンサ測定機 ZEISS O−INSPECT863】

3次元測定機、形状測定機、投影機、顕微鏡の4機能を搭載。寸法測定や幾何公差評価、形状解析を1台で行える。測定箇所に応じて接触式、画像、ホワイトライトの各センサーを使い分け、測定結果を融合して評価することも可能。また、18度―30度Cの温度環境でも国際標準化機構(ISO)の規格に準拠した精度保証を実現した。

【コニカミノルタ/マルチアングル分光測色計 CM−M6】

「分光測色計CM―M6」は、見る角度によって反射光が変わる自動車塗装など向けに、安定的に色管理をできるように開発した。測定の際に生じる傾きによる誤差を補正する仕組みを搭載した。また、さまざまな曲面にフィットしやすい形状のアタッチメントを開発した。ドアミラーなどの曲率の高い曲面も測定できる。

【高松機械工業/スカイビング加工専用機SKV−8】

スカイビング加工専用機として開発。従来研磨機で行っている外径の仕上げ加工を専用の工具で行う。加工物に旋削加工特有の、らせん模様がつかず、研磨と同様の面粗度で仕上げられる。工具の送り速度が通常の旋削加工よりも速いため、リードタイム短縮を図れる上、コンパクトな機械サイズで省スペースを実現した。

【東芝機械/横形マシニングセンタ BMシリーズ】

横型マシニングセンター (MC)「BMCシリーズ」で定評のある剛性、精度を継承した。BMCに比べ、各軸の切削送り速度を2倍以上にし、高速高送りの加工対象物(ワーク)に向く。大サイズのワーク加工のため、機器配置を最適化し、デッドスペースを最小限にした。独自の新型数値制御(NC)装置を搭載した。

【牧野フライス製作所/5軸制御立形マシニングセンタ D200Z】

5軸制御の立型マシニングセンター(MC)。金型加工のプログラム作成から仕上げの磨きまでの全工程のリードタイムを削減し、かつ高品位の加工面を実現する。主軸、テーブルの大きさを最適化し、同クラスの競合機に比べ、30―50%の省スペース化を図った。3軸MCのユーザーが5軸MCに乗り換えやすい製品に仕上げた。

【三菱重工工作機械/三菱大形高精度加工機MVR30Fx】

大型金型をデータに忠実に加工する。機械本体や主軸、ボールネジなどの熱変位を抑えたことに加え、工具長さの安定を自動認識する撮像式工具測定システムを採用し、加工誤差抑制につなげた。全体ガードの標準装備で環境や安全にも配慮したほか、IoT(モノのインターネット)の活用で、機械の稼働状況を容易に確認できる。

【審査概要/専門審査委員代表(千葉大学名誉教授) 青木弘行】

高度経済成長期の1970年(昭45)、日刊工業新聞創刊55周年記念事業として発足した「機械工業デザイン賞」は、経済産業省・文部科学省・特許庁・日本商工会議所・関係諸団体の支援を受け今日に至っている。今回から、待望の日本デザイン学会賞が新設された。

本賞は、生産の第一線と密接に関わる日刊工業新聞社が当時の通商産業省に働きかけ、消費財と比較して立ち遅れていた生産財の国際競争力を獲得すべく、デザインを基盤とする輸出市場の開拓・促進を目的として創設された。工業デザインという用語の頭に機械という文字が付された理由は、その対象を生産財に限定したためで、一般消費財は含まないという意味が込められている。今回の応募は33社35件(内、中小企業は7社8件)と、昨年に比較して増加に転じた。最後に、所要時間約2時間に及ぶ現物審査においては、製品開発に取り組む並々ならぬ情熱を肌で感じ取ることができ、デザイン振興を目的とした本顕彰制度の社会的意義を再確認する格好の機会でもあった。最新の成果が誕生した背景を詳細にうかがう機会は、産業界の動向を広く横断的に理解すると同時に、デザイン開発の方向性を議論する貴重なステージであるともいえる。

開発担当者や現物審査に立ち会われた関係各位に対する感謝の念とともに、専門審査委員を代表して深く敬意を表したい。

(2017/7/20 05:00)

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