[ 建設・住宅・生活 ]

【電子版】国交省、東京・日本橋の首都高を地下化 景観改善へ五輪後着工

(2017/7/21 18:30)

  • 重要文化財に指定されている日本橋と上空を覆う首都高都心環状線=21日午後、東京都中央区(時事)

 国土交通省は、東京・日本橋の上を走る首都高速道路の都心環状線について、一部を地下に移す方向で検討することを明らかにした。建設から50年が過ぎて老朽化が進んでおり、道路の更新に合わせて観光地として有名な日本橋周辺の景観改善につなげる。

 同省によると、地下化は竹橋ジャンクション(JCT)と江戸橋JCTの約2・9キロメートルの区間を想定。2020年東京五輪・パラリンピック後の着工を目指し、事業規模は数千億円に上るという。今後、国と東京都、首都高速道路会社の3者で費用負担の在り方やコスト縮減などの検討に入る。

 石井啓一国交相は「老朽化した首都高速の更新にとどまらない、魅力ある都市景観の再生のため、都などと協力して取り組む」と強調した。

 重要文化財に指定されている日本橋では、上空を高架式の都心環状線が覆っており、景観が損なわれているとの指摘が出ている。同省の有識者会議は12年、都市景観再生のため地下化などを検討するよう提言。日本橋周辺の再開発は16年に国家戦略特区の事業に追加されている。

小池都知事、地下化「さまざまな効果」

 東京都の小池百合子知事は21日の定例記者会見で、国土交通省や首都高速道路会社と東京・日本橋の上を走る首都高速の地下化の検討に入ったことについて「国際金融都市にふさわしい都市景観の形成や沿道環境の改善でさまざまな効果が期待できる」と述べた。

 小池氏は、日本橋周辺地域を中心とした東京の国際金融都市機能を強化する構想を掲げている。同氏は日本橋の上空を高架式の都心環状線が覆っている現状について「歴史や文化を無視した形で利便性のみを追求してきた、これまでのインフラのあしきモデル」と指摘した。

 一方、数千億円に上るとされる地下化工事の費用分担については「3者で協議をしたい。都の重要な地域なので、何らかの関わりが生じるのではないか」と述べた。

菅長官、「意義深い」

 菅義偉官房長官は21日の記者会見で、東京・日本橋周辺で首都高速道路を高架から地下に移す計画について「都市景観の再生、地域の魅力向上の観点から意義深い。日本の中心部が活性化される」と歓迎した。その上で、費用負担も含め「具体化を支援していきたい」と述べた。(時事)

(2017/7/21 18:30)

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