[ 政治・経済 ]
(2017/7/27 05:00)
【ワシントン=時事】トランプ米大統領は25日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)のインタビュー記事で、国家安全保障を理由にした鉄鋼の輸入制限について「今すぐに実施するつもりはない」と述べ、決定には時間を要するとの考えを示した。
トランプ氏は安価な外国製鉄鋼の流入が米軍需産業の競争力を奪ったと訴え、通商拡大法232条に基づき、高関税や輸入制限の導入を検討。当初は6月末にも方針を決める予定だった。しかし、保護主義的な措置に国内外から懸念の声が上がり、検討が長引いている。
トランプ氏は「他国による鉄鋼ダンピング(不当廉売)」に不満を表明し、「かなり早期」に行動すると強調。ただ、「法的検討はすぐに進まない」とし、医療保険制度改革(オバマケア)見直しや税制改革、インフラ投資など他の政策を優先する可能性を示した。
また、カナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉について、満足できなければ、離脱を選ぶと改めて強調した。再交渉は8月16日に始まる。日本の自動車メーカーは協定の関税優遇措置などを前提に北米広域に拠点を展開しており、再交渉の結果によっては経営戦略の見直しを迫られそうだ。
(2017/7/27 05:00)
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