[ 政治・経済 ]
(2017/7/31 05:00)
財務省は米国産などの冷凍牛肉を対象に、8月1日に緊急輸入制限措置(セーフガード)を発動する。牛肉の輸入が一定量を超えた場合に自動的に発動される措置で、経済連携協定(EPA)対象外の米国やカナダ、ニュージーランドなどの冷凍牛肉の関税率を現行の38・5%から50%に引き上げる。トランプ米政権は日本に農産物の市場開放を迫っており、日米貿易摩擦の新たな火種になる可能性がある。
セーフガードの期間は18年3月31日まで。四半期ベースの牛肉の輸入量が前年同期比で17%を超えた場合に発動する措置で、4―6月期の輸入量が発動条件を満たした。豪州などEPA締結国への関税率は据え置く。
豪州産牛肉が干ばつの影響で価格が高止まり、割安な米国産の輸入が増加。加えて中国が米国産牛肉の輸入再開を決めたことで、価格の先高観から日本が米国からの輸入を増やしたことも影響したとみられる。
日米は10月にも2度目の日米経済対話を行うほか、年末にはトランプ大統領が訪日を予定する。大統領の支持率が低下しているだけに、農産物や自動車をめぐり対日圧力が強まることが懸念される。
(2017/7/31 05:00)