[ 機械 ]

第47回機械工業デザイン賞(6)日本商工会議所会頭賞−ホーコス(動画あり)

(2017/8/4 05:00)

▲ヨコ型マシニングセンタ LB70 (ホーコス提供)
  • 開発したMC「LB70」は機械高さ1600ミリメートルが最大の特徴

【ライン対応ヨコ型マシニングセンタ LB70】

高さのコンパクト化で機械越しに工場全体を見渡せる―。ホーコス(広島県福山市、菅田雅夫社長、084・922・2600)が開発した量産ライン向けヨコ型マシニングセンター(MC)「LB70」は、主要顧客の自動車部品メーカーなどから求められていたという背丈の低い工作機械の“進化版”だ。

「営業がキャッチした顧客からの製品ニーズをもとに、開発の方向性が定まった」と、池田邦弘取締役開発企画本部長は振り返る。LB70の前身で2014年に市場投入した「LA70」は、高さ1800ミリメートル。「工場全体を見渡しやすいように高さを1600ミリメートルまで下げて、作業性や安全性を高める」(開発企画部開発2課の大本真揮課長)と、もう一段階踏み込んだ開発に着手した。

可動ユニットのうち、高さに関連する上下(Y)軸を主軸側から治具側に移すなど、配置を見直した。治具が搬送装置まで移動可能でワーク(加工対象物)の受け渡しも容易になったが、「工作機械は10―20年使う寿命の長い製品。その中でメンテナンス性を犠牲にせず、機械をつくる苦労はあった」と、開発チームをけん引した大本課長は振り返る。

製品デザインも、コンパクトさを際立たせている。LA70は機械上部に上下軸の駆動モーターが突起物のような状態であり、実質的な高さは1800ミリメートル以上。「今回は1600ミリメートルから上には何もない」(池田取締役)状態にこだわった。配線回りも折りたたむなどの工夫をして、長方体を実現した。

すっきりした形状は工場内のデッドスペースをなくし、MCを並べた際は美しいシルエットが浮かび上がる。工場レイアウトの効率化に貢献できるデザインであり、機械高さを抑えて見渡せることで安全性に寄与する。

今後のホーコスの工作機械事業をけん引する製品の完成に、菅田社長は「開発はもちろんだが、関係部門も奮起した」とねぎらう。

(福山支局長・林武志)

(2017/8/4 05:00)

機械・航空機1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン