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[ 政治・経済 ]

日本・アジア新時代−ASEAN創設50年(4)食品各社、人口増加に魅力

(2017/8/11 05:00)

2050年、8億人の“胃袋”つかめ

【健康志向】

少子高齢化の日本を尻目に、人口増加が続く東南アジア諸国連合(ASEAN)。国際連合の予測によると、2017年の6億人から30年には7億人に達し、50年には8億人弱まで増える見通しだ。拡大する“胃袋”を求めて、日本の食品メーカーもビジネスを積極化している。

「タイを中心に健康(に配慮した)食品事業で売り上げを伸ばす」。サントリー食品インターナショナルの小郷三朗社長は、ASEAN戦略をこう語る。17年1―6月期連結決算は欧州事業の停滞を、ASEANと国内事業の好調でカバーした。

現地では今までは糖分や着色料が多い飲料が好まれていたが、健康志向の高まりによって日本の低糖・無糖の茶系飲料が人気だ。ASEAN諸国が経済成長すれば、日本と同じようにさらに需要が増えるとみる。

キリンホールディングス(HD)はミャンマーのビール子会社で業績を伸ばす。不採算のブラジル子会社を売却したこともあり、相対的にASEANの重要性が高まっている。

  • キリンHDはミャンマーのビール子会社で業績を伸ばす

【ビールで首位】

17年1―6月期のビール販売数量は前年同期比16%増。「価格競争に多少巻き込まれたが適切な価格設定と増産効果で吸収し、市場首位ポジションをより盤石にしたい」(伊藤彰浩取締役常務執行役員)と意気込む。

古くからASEANに進出している味の素は、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピンを成長の主力エンジンに位置づける。調味料の増産でタイは約24億円、インドネシアは同57億円、ベトナムでは同23億円を年内にそれぞれ、設備投資する予定だ。タイで80%など、各国でシェア首位を保っていることが強気の設備投資計画を支えている。

味の素はインドネシアで「マサコ」と「サジク」、タイで「ロッディー」など現地料理に合わせた風味調味料を開発・販売。「国ごとに、特徴のある調味料で売り上げを伸ばす。ブランド力と商品開発力の強みをフルに生かす」(西井孝明社長)と、さらなる市場深耕に意欲をみせる。

【かさむ販促費】

一方で、伸び悩む企業もある。サッポロHDはベトナムビール事業の黒字化が課題。販促費がかさんでいることが一因だ。「コスト改革を徹底し、売上高が多少減っても利益が着実に出せる体質改善を進める」(征矢真一取締役)とする。

食品メーカーにとって、人口増や若年比率の高さなどがASEAN市場の大きな魅力だ。ただ、日本と違う食生活や味の好み、低価格競争、欧米の大手企業や中国をはじめとする新興国企業との競争は日本市場に比べて遙かに厳しい。8億人の“胃袋”をつかむために、日本企業は一段の努力が迫られる。

(大城麻木乃、編集委員・嶋田歩)

(2017/8/11 05:00)

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