[ オピニオン ]
(2017/9/8 05:00)
バイクに乗って敵を蹴散らす―。人気特撮ヒーロー『仮面ライダー』も平成以降、クルマや電車を操る設定があるとか。近年の若者のバイク離れを反映したものか。
バイクは日本が世界に誇る工業製品だ。ホンダ、ヤマハ発動機、スズキ、川崎重工業の4社が、長らく世界のトップ4だった。インドや中国メーカーが台頭した今も、世界シェアの約4割を握る。
趣味のバイクでは米ハーレー・ダビッドソンや独BMWのブランドは強い。それでも高い性能と信頼性、ラインアップの豊富さで日本勢は他の追随を許さない。ただ肝心の国内市場は9月1日に排ガス規制が強化されて逆風が吹く。
規制対応のコスト増は、特に原付きバイクには致命的だ。愛らしさで人気のホンダ「モンキー」はじめ各社が生産終了モデルを発表した。日本自動車工業会によると、ピーク時300万台を超えていた2輪車国内総需要は2017年度は36万9000台に減少する。
今や客層の主力は50代の“リターンライダー”。各社は転びにくいバイクや電動化の開発を進め、スマートフォンホルダーなど若者のニーズを取り入れる。国内2輪が疾走し続けるためにも、仮面ライダーにはカッコよくバイクで登場してもらいたい。
(2017/9/8 05:00)