[ 機械 ]

近畿精工、直径0.5mm以下のマイクロギア試作−金属加工で初

(2017/9/27 05:00)

  • 金属微細加工技術で試作した直径0.5mm以下のマイクロギア

近畿精工(滋賀県長浜市、畑澤康弘社長、0749・63・5301)は、金属微細加工技術を用い、直径0・5ミリメートル以下のマイクロギアを試作した。射出成形機を使った同サイズ以下の樹脂製歯車はあるものの、金属加工で実用可能レベルの試作は業界初。樹脂製より耐久性や耐熱性に優れ、超小型モーターを使う手術用医療機器向けなどの用途を狙う。今後は2018年の市場投入に向け、量産技術を確立する。

試作品は2サイズある。小さい方で歯先直径0・38ミリメートル、歯数5枚、モジュール(歯の大きさを表す規格値)0・05ミリメートル。もう一方は歯先直径0・44ミリメートル、歯数6枚、モジュール0・05ミリメートル。厚みは1ミリメートルまで対応可能で、動力伝達で求められる耐久性が確保できる。

歯車の中心に直径0・1ミリメートル程度の軸部を形成でき、遊星歯車としての利用を想定する。加工精度はプラスマイナス4マイクロメートル(マイクロは100万分の1)と高精度。

近畿精工はスマートフォン(スマホ)や自動車電装部品向けなどの生産に用いるプラスチック精密金型のメーカー。試作品は、培った微細加工技術を応用した。最新のワイヤ放電加工機と独自開発の精密治具などを用い、多重カットで微細化、高精度化した。

腹腔鏡手術用の器具やマニピュレーター、内視鏡、マイクロポンプなどの用途を想定。高級腕時計などでも需要があると見る。

同社はかつて携帯電話・スマホ業界向け精密金型が主体だったが、08年以降に顧客や用途開拓を進め、自動車や医食品業界向け金型に進出した。今は金型専業からの脱却を掲げ、部品事業へと業容拡大している。

(2017/9/27 05:00)

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