[ オピニオン ]
(2017/10/4 05:00)
米国とソ連が激しい宇宙開発競争を繰り広げた1960年代初頭。米航空宇宙局(NASA)初の有人宇宙飛行「マーキュリー計画」の成功の裏には、度重なる差別や偏見に負けずに活躍した優秀な黒人系女性技術者の姿があった。
実在するその3人の女性の奮闘を描いた公開中の映画『ドリーム』を見た。女性であるだけで排除された時代に有色人種が認められるのは、いかに困難なことだったか。それでも彼女らは明るく前向きで、勇気と行動力にあふれていた。
現在でも世界の科学アカデミーの会員の約80%は男性だとされる。一方で、米国科学アカデミーは性別や人種、年齢の多様化を進め、2016年には初の女性会長を置くなど改革は進んでいる。
1日付で新体制となった日本学術会議の第24期会員210人は、女性比率が前期比で10ポイント増え33%になった。選ばれた女性の今後の活動に期待したい。
「数字はいつも正直よ」―。映画の主役で、幼い頃から数学の天才だったキャサリンは作中でこう語った。元祖・リケジョが切り開いた道は確実に未来に伸びている。週明けの11日は国連が定める国際ガールズ・デー。科学技術に憧れる少女の夢は、昔よりもずっとかなえやすくなっている。
(2017/10/4 05:00)