[ 科学技術・大学 ]

ノーベル化学賞、クライオ電子顕微鏡開発の3氏に

(2017/10/5 05:00)

  • (左から)デュボシェ氏(ローザンヌ大のサイトから)、フランク氏(コロンビア大のサイトから)、ヘンダーソン氏(MRCのサイトから)

スウェーデン王立科学アカデミーは4日、2017年のノーベル化学賞をクライオ電子顕微鏡(写真)を開発したスイス・ローザンヌ大学のジャック・デュボシェ名誉教授(75)と米コロンビア大学のヨアヒム・フランク教授(77)、英MRC分子生物学研究所のリチャード・ヘンダーソンプログラムリーダー(72)の3氏に贈ると発表した。たんぱく質を精製して結晶化せずとも分子構造を決めることが可能になった。

日本人は自然科学分野3賞の受賞はかなわず、4年連続の受賞にはならなかった。

授賞式は12月10日にスウェーデン・ストックホルムで開かれる。賞金900万スウェーデンクローナ(約1億2400万円)は3氏で等分する。

クライオ電顕により、たんぱく質などの生体分子を生き物の体内に存在する形のまま観察できるようになった。電子顕微鏡は試料を真空に保ち電子線をあてる。デュボシェ氏が試料の周囲をアモルファス状の氷で覆う手法を確立。試料から水分の蒸発や形が崩れることを防いだ。

フランク氏は電顕の2次元画像から立体構造を再構築するソフトウエアを開発。ヘンダーソン氏がたんぱく質の立体構造を原子レベルの解像度で明らかにし、この計測技術の有用性を証明した。

現在は、より複雑なたんぱく質への適応が進み、構造データベースの整備が進んでいる。生体内での構造を特定できると医薬品となる化合物の構造を精密に設計できる。創薬分野へ大きな貢献となった。

(2017/10/5 05:00)

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