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[ 科学技術・大学 ]
(2017/10/5 05:00)
3氏と親交のある名古屋大学の藤吉好則客員教授(構造生理学)は、「クライオ電顕の開発以来、たんぱく質などの分子構造解析が爆発的に進んでいる。いつかは(3氏の受賞が)あるだろうと思っていた」と喜びを語った。
クライオ電子顕微鏡は、細胞や生体分子を無固定・無染色の状態で観察する手法として確立されてきた。
近年の装置やソフトの急速な技術進歩により、原子レベルで構造解析ができる手法として重要性を増している。特に期待が高いのが、創薬研究の分野だ。クライオ電顕でたんぱく質の構造を解析する理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センターの白水美香子副センター長は「結晶化できなかったたんぱく質でもクライオ電顕の技術が上がり、分子構造がわかるようになった。可溶性たんぱく質に始まり、膜たんぱく質、複合体など測定対象が広がっている」と話す。
クライオ電子顕微鏡を用いたたんぱく質の構造解析により、従来法では解析が困難だった複雑で大きいたんぱく質複合体などでも短期間で構造解析ができるようになり、創薬に関する新たな情報が得られるようになった。
大学や研究機関などでもクライオ電子顕微鏡の導入が進む。また、日本電子は今年4月、名大の藤吉氏と共同でクライオ電子顕微鏡を用いたたんぱく質の構造解析を行う受託サービスなどを提供するセスピア(東京都千代田区)を設立している。
(2017/10/5 05:00)
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