[ その他 ]
(2017/10/19 05:00)
【VB型承継】
近畿経済産業局がまとめた「関西起業家・ベンチャーエコシステム構築プロジェクトモデル事業」。その中に「ベンチャー型事業承継」という聞き慣れない言葉がある。
「ベンチャー」「事業承継」という相反するイメージを持つ言葉。仕掛けたのは、大阪市の外郭団体である大阪市都市型産業振興センターの山野千枝さんだ。
若き起業家が脚光を浴びる一方、家業には古びたイメージがつきまとう。しかし山野さんが「中小企業を訪問すると、2代目、3代目の後継者が新しい事業を立ち上げた例も結構ある。これだってベンチャー企業と同じではないのか」と指摘するように、新しいビジネスは必ずしも新興企業ばかりから生まれるとは限らない。
【後継者ゼミ】
山野さんは、そんな事業承継の担い手候補である経営者の息子、娘に働きかける。
大学と協力した「後継者ゼミ」がそれ。実家が商売や中小企業を経営する学生を対象に半年にわたるゼミを実施。関西学院大学では2012年、関西大学では14年から実施している。
「どうする、親の商売」と題した12年の最初のゼミには、12人が集まった。金属加工からクリーニング、中華料理店、老舗の醤油屋など多種多様。誰もが「家業をどうするか」という話を、誰とも交せずにいたという。
受講者は累計で150人程度。講師だった経営者へ相談にいったり、インターンに入ったりする学生も出始めている。跡継ぎへの道を歩むかどうかは別としても、彼らの進路に何らかの影響は及ぼしていそうだ。
中小企業の集積する関西から、2代目、3代目を名乗るベンチャー経営者が続々と登場するかもしれない。
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(2017/10/19 05:00)