ニコン、中国工場を閉鎖−７０億円損失、デジカメ市場縮小

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ニコンは３０日、デジタルカメラやカメラ用ユニットを生産する中国子会社「ニコンイメージング（チャイナ）」の操業を同日付で停止したと発表した。市場の縮小で稼働率が３０％程度に低迷し、継続は困難と判断した。今後、同社を清算し、従業員２２６８人との雇用契約を解除する。従業員に支払う経済補償金や設備売却損などにより、２０１８年３月期連結決算（国際会計基準）に当期損益ベースで約７０億円の損失を見込む。

ニコンイメージング（チャイナ）以外に、中国にはカメラ用ユニットを生産する二つの合弁工場や、カメラの販売子会社があるが、それらの業務は継続する。閉鎖する工場で生産していた一部の製品はタイへ移管する。

高性能のカメラを搭載するスマートフォンの普及により、カメラ市場が縮小し影響が及んだ。競合相手は市場が堅調に拡大するミラーレスカメラを強化しているが、ニコンは出遅れている。カメラ事業を回復させるには、固定費の削減だけでなく、根本的な原因である製品群の強化を急ぐ必要がある。

一方、同日、１７年４―９月期連結決算業績予想の各利益段階を上方修正した。営業利益は前回予想比６０億円増の２３０億円（前年同期比１５・３％減）を見込む。サービス事業の伸長やコスト削減が貢献する。ただ、売上高は薄型ディスプレー露光装置の売り上げの一部が下期にずれ、下方修正した。