[ 科学技術・大学 ]

フィルム型ペロブスカイト太陽電池、エネ変換効率18%達成−桐蔭横浜大

(2017/11/1 05:00)

  • 厚さ126マイクロメートルのフィルム型ペロブスカイト太陽電池(宮坂教授提供)

桐蔭横浜大学医用工学部の宮坂力特任教授らは、薄いフィルム型にした「ペロブスカイト太陽電池」のエネルギー変換効率で18%を達成した。フィルム型では世界最高性能だという。厚さ約126マイクロメートル(マイクロは100万分の1)で、折り曲げても高い変換効率と安定性を維持する。安価かつ軽量でフレキシブルな太陽電池が実用化できれば、無線機器の自立電源、ウェアラブル機器のほか、医療分野にも活用範囲が広がると期待される。

ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイトという結晶構造を持つ太陽電池。製造コストが低いため、次世代太陽電池として実用化が期待されている。

研究グループは、樹脂フィルム基板に対し電子輸送層、セシウムやメチルアンモニウムなどの混合カチオンからなるペロブスカイト層、正孔輸送材料と金電極を120度以下の低温で製膜し、製作した。フレームなどを除く太陽電池フィルムの重量は1平方メートル当たり約250グラムと軽量。また、1000回の繰り返しの曲げ試験後にも、効率を83%維持できることを確認した。

現在、変換効率20%を超えるペロブスカイト太陽電池はガラス基板を使用。フィルム型では15―16%程度が最高だった。また、世界最高効率の22・1%の同電池などは400度以上で製膜している。

今回製作したものは低温で製膜できるため、生産コストを抑えられる。

(2017/11/1 05:00)

科学技術・大学のニュース一覧

おすすめコンテンツ

集まれ設計1年生!はじめての締結設計

集まれ設計1年生!はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい高速道路の本

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい高速道路の本

3次元設計手順の課題解決と3DAモデル・DTPDによるものづくり現場活用

3次元設計手順の課題解決と3DAモデル・DTPDによるものづくり現場活用

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン