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【電子版】物流オープンデータ活用で競技会、優秀賞に岡山大チーム フレームワークス主催

(2017/11/15 05:00)

  • 授賞式で(前列左から)浦川大和ハウス取締役、秋葉フレームワークス社長、岡山大チームの江見さん、西良太さん(4年)、坂村審査員長

大和ハウスグループのフレームワークス(静岡市駿河区、秋葉淳一社長、054・286・5411)が主催した「次世代ロジスティクス物流オープンデータ活用コンテスト」の入賞作品が13日発表され、岡山大学の「西良太と乃村研究室の仲間達」が優秀賞(賞金50万円)を受賞した。住宅の家庭用エネルギー管理システム(HEMS)のオープンデータから、人工知能(AI)を使って将来の在宅予測を行うアイデアが評価された。最優秀賞は該当なしだった。

このコンテストはYRPユビキタス・ネットワーキング研究所(東京都品川区)との共催で、今回が2回目。応募登録は123件、うちアプリケーションなどを最後まで完成させて応募したのは18件だった。海外からは10件近い応募があり、審査員特別賞(賞金10万円)5点のうちの1点にマレーシアの企業チームの作品が輝いた。

優秀賞に選ばれた岡山大チームの「Pigeon(ピジョン)」は、宅配業者が受取人の在宅状況を予測し、社会問題化している再配達の件数の削減につなげるというもの。大和ハウス工業の公開するHEMSデータをもとに深層学習で各家庭の生活パターンを学習し、未来の在宅確率を予測する仕組み。ただ、受賞した同大大学院修士2年の江見圭祐さんによれば、「腕試しと宣伝が目的。実際にできればいいとは思うが、ビジネス化は頭にない」という。

来年は提供データを拡大して開催

オープンデータとは、公共データを誰でも使えるような形で公開し二次利用を促すことで、データの見える化や社会活動の効率化を促進する試み。公共交通機関などで普及が進む半面、重要情報がからむほど企業の壁を越えた民間での利用は難しい面もある。

それでも、審査員長を務めた東洋大学情報連携学部の坂村健学部長(YRPユビキタス研所長)は、「多様な参加者による多様なチャレンジを可能にする基盤がオープンデータ。まずデータを出してもらうことが大事だが、チャレンジする回数を増やせばイノベーションにつながる」とその効用を強調する。

フレームワークスの秋葉社長も、2018年もコンテストを継続する方針を明らかにした上で、「物流業界ではデータを課題ごと抱え込んでしまっている。オープンデータの活用でそれらの相関関係を発見できれば、物流の合理化に寄与できる」と期待する。

さらに、次回はコンテスト向けのオープンデータを大幅に増やす方針。大和ハウス工業の浦川竜哉取締役常務執行役員によれば、同社が千葉県市川市に開設した大型物流施設「DLP市川」で顧客とともに実施する、ビッグデータやAI、ロボットなどの先進技術を取り入れた次世代物流施設の研究開発プロジェクトでのデータを提供するとしている。

(2017/11/15 05:00)

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