[ 中小・ベンチャー ]

ボールネジのナット内を研磨 サンシンが装置開発

(2017/11/16 05:00)

  • ナットの溝を効率的に研磨するテープ式装置

【新潟】サンシン(新潟県長岡市、細貝晃司社長、0258・22・1529)は、ボールネジのナットの内側をテープで研磨する装置を開発、受注を始めた。研磨テープを一定圧力で押し当てて揺動し、送りながら仕上げる仕組み。面精度の均一化につながるほか、従来に比べて作業時間は10分の1に短縮できる。年間10台程度の受注を見込む。売り上げ目標は約3億円。

サンシンが開発した装置は、厚さ75マイクロメートル(マイクロは100万分の1)のポリエステルフィルム上に粒径9マイクロメートルの砥粒(とりゅう)をコーティングした研磨テープを使用する。同フィルムに部品を押し当てて形状を変化させ、ナットの内側にある溝を磨き上げる。ネジ軸やナットに設けた溝の研磨は、ボールネジの精度に直結する重要な作業。ただナットの溝は内側にあるため研磨しにくく、従来は手作業でワーク同士をこすり合わせる「共摺り」で対応していた。

研磨作業の自動化によって面精度の均一化と作業時間の短縮につながる。ボールネジの使用ではこれまで、ネジ軸とナットをセット購入する必要があったが、ネジ軸の溝の形状に合わせてナットの溝を研磨できれば、個別に購入して組み合わせるといった使い方が可能になる。

ボールネジは半導体製造装置や産業用ロボットのほか、電動パワーステアリングなどに使われている。同社は、自動車の電動化が進行することに伴い高性能ボールネジの需要拡大が見込めるとみており、供給体制の整備と販売拡大を目指す。

(2017/11/16 05:00)

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